創造性を考える際に「イースターエッグ」というメタファーは役に立つ。何か仕掛けがしてあって、その時がくればその効果がわかる。創造性とは、一生懸命イースターエッグを仕込む作業だと言ってもよい。

創造する人は、「イースターエッグ」職人である。誕生日のサプライズを仕込んでいる時のように、誰にも言わず、黙々と作業する。他人にそれが伝わるのはずっと後で、それまで孤独な作業が続く。もちろん、承認という報酬も得られない。

行為に対する報酬は、作品が完成して、それが公になってみんなが驚いたりよろこんだりしてくれた時に初めて受け取ることができる。それまでは、その時を想った、ただひたすらイースターエッグの仕込みを続ける。

構想段階や、途中でそのことを口にしたりするのは、意見をもらったり、フィードバックを受けたりする上で必要なこともあるが、基本、創造者はイースターエッグをつくっているのだと思わなければならない。満足はずっと後で遅れてくるのだ。

イースターエッグの長いながい仕込みの段階(これは、思ったよりも時間がかかる場合もあるし、終わらない時もある)と、それが伝わって報酬を受け取るまでの時間的な遅滞こそが、創造者が学習する「パターン」の一つである。

ところで、作品に仕掛けられたイースターエッグを、受け手が気づかないままに時が過ぎていくということはよくあることだ。傑作ほど、隠されたイースターエッグは多い。時には創造者自身がイースターエッグを無意識のうちに仕込んでしまっていることもある。

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