同化圧力(peer pressure)は、人生のあらゆる場面を通して作用している集団ダイナミックスである。「みんないっしょだと安心する」ということは事実だが、それは精神を弛緩させる。

オタク魂を持っている人は、同化圧力から離脱せざるを得ない。なぜならば、興味を持っていることは、多くの人にとっては関心外のことだからである。情熱を向けることを追求して行こうとすれば、ひとりの道を行くしかない。

世間で流行っていることや、メジャーなことを追っている人は帰属を確認できて安心かもしれないが、魂は鍛えられない。むしろ、マイナーなこと、多くの人が関心を持たないことを追い求める人の方が、人間として成長する。

ロングテールのすそ野の、少数の人しか興味を持たないようなことを追い求めている人は幸いである。その人は、小さな領域の中にいかに無限の奥行きがあるかということを理解しているからである。

世間の誰も興味を持っていないようなことに関心をいだいている人が、同好の人に出会った時のよろこびは大きい。深い絆が結ばれる。そこには秘密結社のような一体感が生まれ、どんなに話しても話したりないような気持ちが深掘りされる。

オタク同士が出会うと、世間と同じになれ、という同化圧力よりも、むしろ、どれくらい興味を持っていることで疾走できるかという「もっとやれ」という疾走圧力がかかる。だから遠くに行ける。オタク同士の出会いは、宇宙のもたらす奇跡の福音である。

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