学習における大事な要素の一つは、「誤差信号」である。正解と自分の出力の間の差をフィードバックする。そして、次の行為においては、その差を小さくするように修正する。これを繰り返していけば、パフォーマンスが向上する。

答案が返ってきたとき、100点満点だったら気持ちがいいだろうが、逆に言えば誤差信号がゼロということである。点数が悪いということは、それだけ多くの学習機会がそこにあるわけだから、むしろよろこばなければならない!

たとえば、10問中3問しか正解しないで、7問間違っていたとしたら、「しめた!」と思えばいい。7問分の誤差を修正する機会を与えられているからである。そこからは、一つひとつ、ごちそうをたべるように、正解と自分の出力の差を理解し、それを修正できるようにフィードバックしていけばいい。

世間では、往々にして「点数」そのものに重点が置かれているために、間違いが大切な学習機会だという認識がないようである。誤差は学習にとってのごちそうであるという見方を、もっと持ちたい。

学習において誤差信号は大切だから、それは日常的にフィードバックするようにしなければならない。テストの時だけが特別だと思うからいけないのである。ふだんから自分でテスト、採点し、フィードバックを繰り返す学習をしていれば、本番のテストなんて別に大したことがない。

もっとも、以上は正解があり、それを「教師」が教えてくれる「教師あり学習」のメカニズムであり、「教師なし学習」には別のノウハウがあるが、それはまたいずれ解説したい。

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