人間は、一生学び続けることのできる存在だが、その際に鍵になるのは、学びのカリキュラムは、「自分でつくる」ということであろう。世の中には、無限の「科目」がある。どのような科目をどのようなバランスで学ぶかは、自分で決めて良い。そのような態度が、自主的な学習者をつくる。

アメリカの大学教育で、学びのテーマは自分で決めて良いというopen curriculumの考え方を最初にやったのはブラウンらしいが https://www.brown.edu/admission/undergraduate/what-open-curriculum … 必修科目もなく、自分で自分の「専攻」を組み立てて、取り組んで良いという方式は、すばらしい。

オープン・カリキュラムの考え方は、例えば次のようにも応用できる。あるデザイナーの方は、毎月一つテーマを決めて、その月には、そのことを集中的に勉強するようにしているのだという。例えば今月はワインのこと、来月はバナナのこと、次の月はカナダについて、というように。

ワインに興味があったら、大学で「ワイン学」のような科目がなくても、自分で、産地や、ワインの味をつくる要素、ワインをめぐる文化、ワインの流通、ワインと食の文化など、カリキュラムを組み立てて学べば良い。そうしたら、その人は遠くまでいける。

オープン・カリキュラムは、人の数だけあって良い。例えば、庭や空き地に生えてくる「雑草」について研究している人がいてもいい。その「雑草学」を極めた人は、都市における生物多様性という、かけがえのないテーマの専門家になることができるだろう。

オープン・カリキュラムは、その人にしかすることができないブルー・オーシャンのイノベーションにも通じる。自分で自分のカリキュラムを組み立てるというたったひとつのやり方を身につけることで、人は無限の大海を泳ぐ力をつけることができるのである。


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