昨日、「東京デザインウィーク」の会場で起きました火事について、巻き込まれてしまったお子さまのご冥福を、衷心よりお祈りいたします。ご家族、関係者のお気持ちを考えると、いたたまれません。また、このイベントに関わらせていただいた者として、深く、伏してお詫びし、反省いたします。悔しくて、また、残念でなりません。

 私は、「東京デザインウィーク」の関連番組を、過去数年間、MCとしてやらせていただいております。今回の「東京デザインウィーク」の現場も、開催中に取材、撮影させていただきました。この度火事になりました作品については、たまたま、私が取材した範囲に含まれていなかったので、その構造上の問題などを認知することができませんでした。もし、見ていたら、「これは危ない」と感じて、その場で指摘することもできたのではないかと考えると、本当に残念でなりません。


「東京デザインウィーク」の主催者である「デザイン・アソシエーション」に は、会長1名、理事長1名、副理事長2名、理事24名、幹事1名からなる「理事会」があります。

http://tokyodesignweek.jp/about/

私も、24名の理事の一人として名を連ねさせていただいています。理事会は、私の認識では年に2回程度開かれているはずです。今年の「東京デザインウィーク」の会期中にも、理事会が開催されたと認識しています。私は、以前から決まっていた別の用件があったため、出席することができませんでした。そのため、今年の理事会でどのような議案が論じられたのか、知る立場にはありませんが、今年の「東京デザインウィーク」についても議論がなされたものと思います。

過去に出席させていただいた理事会では、理事長から「東京デザインウィーク」開催の趣旨や、企画状況、関連イベント、デザインアソシエーションの運営などについてのご報告をいただき、それに基づいて理事側から質問をしたり、承認案件を審議したりしています。会議に要する時間は、毎回、一時間程度と認識しています。そのような機会に、安全対策や、作品の審査、管理体制などについて、より突っ込んだ質問や、討論をしておけばよかったと、深く反省しています。

特に、学生さんの展示については、安全面などで、さらに格段の配慮が必要だったと、理事会のメンバーの一人として、慚愧に堪えません。

本来、楽しいはずのデザインとアートのイベントで、このような事故が起こってしまったことは、本当に残念です。 

改めて、深く、伏してお詫びいたしますとともに、お子さまのご冥福を、衷心よりお祈りいたします。 

2016年11月7日
茂木健一郎