今朝の「脳なんでも相談室」https://lineblog.me/mogikenichiro/archives/1294423.html… で、文章についてのご質問があった。回答したこと https://lineblog.me/mogikenichiro/archives/7557245.html… に少し補足したい。

大切なのは、文章を「クオリア」としてとらえる、その精度だと思う。論理性や流れも大切だが、それらを含めて、文章の表現や流れを、「感覚」においてとらえて、それを研ぎ澄ますようにすると、良い文章が書けるようになる。

三島由紀夫の「文章読本」では、遠野物語でおばあさんの幽霊が出て、その着物の裾が炭取りにあたってくるくる回る、という場面を激賞しているところがあるが、これも、異界が現実に接触するという「クオリア」における卓越なのである。

以前、文學界で文章についての連載をした時(「脳のなかの文学」)https://www.amazon.co.jp/%E8%84%B3%E3%81%AE%E3%81%AA%E3%81%8B%E3%81%AE%E6%96%87%E5%AD%A6-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%8C%82%E6%9C%A8-%E5%81%A5%E4%B8%80%E9%83%8E/dp/4167758016 … の主なテーマも、文章のクオリアであった。読み味などにフォーカスすると、良い文章がわかるし、書けるようになる。

英語も同じで、文法などの知識よりも、英語の読み味、聞き味が感覚として区別できるようになると、英語力が上達する。クオリアとして、これは良い、おかしい、と区別ができるようになると、間違わなくなる。何よりも、リアルタイムでその判断ができるようになる。

文章を良くするとは、つまりは、感覚の問題であるということさえわかれば、あとはさまざまなことに応用が可能になる。感覚を研ぎ澄まして、よりよい方向に進む、というアプローチで解決できることは、この世界に実に多い。

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