しゅがさん
 
こんにちは。しゅがと申します。
都内に住む学生です。
私がもっと小さかった頃繰り返し見ていた夢について書かせていただきます。
(茂木先生が夢の分野まで詳しく知っている方なのかわからずに書いております。専門分野でなかったりしたら本当にすみません。)

夢の内容についてはこんな感じです。
・赤い蟹のような化け物が二匹で共喰いをしている
・甲羅のようなものを持っているのか、ぶつかる度にバキバキと音がする
・ここで急に場面が切り替わる
・グレーの背景で、紺色の長い円柱が一定の感覚で並び右から左へ流れている
・私は、その光景を20メートル程離れた所から見ている(ような視点)
・たくさんの円柱のある1本から、1人の女の子が私のことを陰から覗いている(もちろん、その女の子も円柱と一緒に左へ流れて見えなくなってしまいます)
・また場面が切り替わり、共喰いのところに戻る

以上の繰り返しです。この夢を見ているとき、場面が何周したのかなどはわからないのですが、必ず息が苦しくなって目覚めます。

次に、私が育った環境について話します。
今も両親ともに健在で、特別裕福というわけでもないけれど不自由の無い生活を送ってきました。中学に上がるまでの十二年間、毎年夏と冬に(国内)旅行に行ったりなど、家族間でも仲が良いです。私は入院するほどの大きな病気になったこともないし、骨折もしたことがありません。人間関係にも恵まれて、いじめに遭ったりしたこともありません。親戚のお葬式には出たことがありますが、血だらけの人を見たりなど死んだ人に直接関わったことはありません。

自分の人生を振り返って、これといったトラウマになるようなことが何一つ無いのです。
何故赤い化け物が共喰いをしているのを怖いと思うのか、円柱が流れていく光景に不安を感じるのかがわかりません。

脳科学という分野から私の夢を分析して頂けないでしょうか……宜しくお願いします。

ご回答。

興味深い夢ですね。

河合隼雄さんと以前お話したとき、夢は、その人にとっての「盲点」のようなもので、その意味は、本人には気づきにくい、むしろ、客観的に見られる人の方が分析しやすいとおっしゃっていました。

また、夢の中に出てくるものは、 文字通りの意味ではなく、何かの象徴、変形したものだということなのです。

赤い蟹が共食いをしている、という夢の場合、「蟹」が具体的に人を表すと考えるよりは、ご相談者の中での二つの矛盾する傾向、あるいは、世界の二つの方向性のせめぎあいが蟹として表れているというような、一度、抽象化の段階を経た解釈の方が良いようです。

大切なのは、自分にとっての、その夢の印象を振り返ることで、そのことによって、メタ認知(自分を外から見ること)も強化されますし、感情の整理、ストレスの緩和にもつながっていくと思います。

nounandemo