ブエノス・アイレスで、現地通貨ペソで買い物をしていて、「????」と思ったことがある。


ひょっとして、アルゼンチンって、コインない?


というのは、スーパーみたいなところで買い物して、いくらとか言われて、お札を出して、「はいよ」とお店の人が出してくれたお札が、どうも、「端数」をまけてくれているというか、少し多いような気がしたのだ。


しかし、どうも曖昧なので、「次の機会」をうかがっていた。


また買い物をして、今度はレシートがはっきりと出る店だった。


それで、「はいよ」とくれたお釣りが、やっぱり少し多いような気がする。


見ると、やはり、「端数」が切り落とされている。


そういうことを、特別なこととしてやっているんじゃなくて、当たり前の習慣になっているようだ。


似たような経験は、カナダでもした。

確か、10セントまではあるんだけど、それ以下の、5セントとか、1セントのコインは、「切り捨て」することにして、流通しなくなったんだと思う。


カナダの場合は、経済的な効率を考えてのことなのだろう。


しかし、アルゼンチンは、どうも違う。


こちらに来て読んだある英字新聞は、「10年ぶりに少しは正確な経済統計が出るようになった」みたいな記事を書いていた。


どうも、今まで、政府は、GDPとか、物価上昇率とか、「ごまかして」いて、それが常識だったようなのだ。


それで、ようやくまともになった経済統計の最新のデータが、インフレ率が月に4.8%だったという。それで、「低かったね」と喜んでいるらしいのだ。


年率じゃないですよ。月に、4.8%ずつインフレになる。すると、単純計算で、1.048^10=1.76と、年率、76%のインフレになる。


76%! 一年前は、100円で買えていたものが、176円に!

それで、「物価が安定している」と喜ぶ。

それくらい、近年、アルゼンチン経済はひどい目に合ってきたのですね。


そして、それじゃあ、コイン発行する気にならないのは、なんとなくわかりますよね(笑)。


紙幣だったら、はいよ、と刷って、額面も変えられるけど、コインは金属だから、そういうわけにはいかない。。


いやあ、コインって、安定した経済の象徴なんですね。


アルゼンチンに来て以来、いろいろなことを考えてしまいます。


でも、ご飯はおいしいし、人々は幸せそうです。


なんなんだ、これは!(笑)

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