スイカの季節だ。ぼくはスイカが大好きで、できるならば毎日食べたい。あのみずみずしい果汁と、さくさくした食感を考えると、たまらない。今出ているスイカは、熊本のものも多いというので、支援の気持ちもこめて、せっせと食べている。
ぼくが子どもの頃、「種なしスイカ」というのが流行った。当時、なかなかに画期的なイノベーションとして喧伝されていたように記憶する。ところが、ある時期から、種なしスイカは廃れて、最近はあまり見なくなってしまった。
種なしスイカをつくるためには、コルヒチンというアルカロイドを使うらしいが、安全とは言え、できれば使わない方がいいし、また、味が、種ありのものに比べるといまいちということで、次第に種なしスイカは廃れてしまったらしい。
そして、これは、本質的なことだと思うのだが、スイカの場合、種がある方が、見た目にも「絵」として美しい、ということがあるのではないか。ただ赤い色が広がっているよりも、ところどころ、黒い種があった方が、コントラストがあって美しい。
その意味で、時々、スイカの種で、白っぽいというか、弱々しいものが混じっていることがあるが、あれは、力がないというか、物足りない気がする。やはり、スイカの種は、黒黒と、力強く、そして赤とのコントラストが美しいものが望ましい。