書生の植田工から、心臓の弁形成手術で入院し、復帰した経験を綴った「べんまく記」第9回が送られてきました。


前回もお読み頂きまして、コメントをありがとうございました!数日あいだが空いてしまいまいましたが、前回の続きは、手術前日の午後からになります(笑)。『スラムダンク』の一試合が5巻くらい続く様相のていです。井上雄彦先生に失礼でした、すみません。


昼食を頂きベットに戻ると、また不意に寝てしまいます。食後に眠くなるというのはよくあることですが、いま振返って思うのは、手術前までの食後の睡魔はなんだか異常だったような気もします。脳もCTの検査を受けたのてもとくに何もないというのが本人的には不思議でなりません。手術後の話しになってしまいますが、今、食後の睡魔は徐々に改善されてきている気がしていまして、食事の量なのか、やはり血液の流れなのか今度検査して頂いた時に聞いてみたいと思っています。


小一時間くらい寝てしまってハッと起き、また予約させてもらっていたお風呂(シャワー)に行きます。午前中にジョリジョリと剃った体をみますと、なんか毛を全部取られた鳥ってこんな感じかなとか、自分の体が新鮮に目に映ります。前日と同様に、シャワーを終えて一回体を拭いて、消毒液を全身に塗布(塗タオル)します。皮膚に某かの菌がついてたとしても2回で滅菌されているのだとすると、この無色透明な只の水にしか見えない消毒液の破壊力は何なんだろうと不思議です。


15時くらいに、茂木先生のまわりで公私ともにお世話になっているササキ部長が、手術前のお見舞いにきて下さいました。手術後は東京にはいないからと手術前に励まして来てくださいました。昨年末まで2年間、集英社のアートサイトにコラムを書かせて頂いて自分の代名詞となりつつあったポストイットをドサッと持ってきて下さいました。ササキ部長のお気持ちを頂きます。


17時の執刀医の先生から手術の事前説明までに、明日の手術を担当して下さる看護師さんが病室まで来てくださいました。青い手術用の格好をしていて、さっきまで手術をしていたというその余韻のオーラを纏っています。正確な内容を失念してしまいましたが、確か簡単に起床から手術室までの流れと、持ち込みの荷物の確認をして下さったんだかと思いますが、お言葉の一つ一つが凛々しくて、なんだかとても安心感を頂きました。


17時に兄がやってきて、まず麻酔科の先生のご説明を伺います。なんでこんなに丁寧に優しく向かい合ってくれるんだろうかと、ほわほわします。綺麗な先生でもございまして兄も私と一緒にちょと浮かれていた気がします。あ、そうそうと、頼んでいた小さなデジタルの置き時計を、新しいものを買ってきて渡してくれました。


その後すぐ、執刀医のYGC教授に今回のご説明を頂きます。その時に初めてお会いするY教授も手術を終えられた後で手術の青い服を着ていらっしゃいまして、とても清閑な雰囲気です。こちらは手術は一大事だと思っていますので、そんな大仕事のあと平静に、明日の患者の説明をして下さることに驚きますし、なんだか大変お疲れのところ申し訳ございませんという気分です。 

べんまく記_9