この記事、今朝ツイッター上でトレンドに上がっていて、気になったのですが、今ようやく読みました。


「横暴すぎる老人」のなんとも呆れ果てる実態 

記事の3頁目で触れられていますが、基本的に、前頭葉を中心とする脳の機能低下が主な原因だと考えられます。

抑制を利かせたり、その時々の環境(文脈)に合わせて自分の行動を制御するといった前頭葉の機能低下で、高齢者の方が、身勝手な要求をしたり、暴力的になったりするものと思われます。

そして、このような、状況に対して向き合うときに必要な基本的な考え方は、「人間には自由意志がない」ということだと思います。

自由意志は、幻想です。それぞれの人が、それぞれの脳が持つ機能の中で行動を選択し、実行しているだけで、それ以外のことは、なかなか期待できないのです。

この点は、つきつめて議論しようとすると深遠な哲学的問題にもつながってしまうので、ここではやめます。

いずれにせよ、ご高齢の方が、この記事で記述されているような行動をとられる場合、倫理的な非難をしたり、その行動に対して腹を立てたりすることは、必ずしも問題の解決につながらない、ということを認識する必要があると思います。

このことは、ご高齢の方は、他人から注意されたり、指摘されたりしたことを受けて、自分の考えや行動を変える柔軟性が失われている傾向があるということと無縁ではありません。

問題のある行動をとられる方は、いずれにせよ、かなりの蓋然性を持って再びそのように行動する、ということを前提に、対応を考えなければならないのです。

難しい問題ですが、これまで、さまざまな苦労を重ねて生きてこられた方々なのですから、以上のようなことを踏まえつつ、あくまでも人間として温かく、しかしできないことはできない、ダメなことはダメと、その行動が変容することはあまり期待せずに、対応するしかないと思います。