東京大学の初の推薦入試が終わり、良好な結果になったようである。このような動きを大いに歓迎する。多様な学生が、大学に入れるような、そんなさらなる変化を期待したい。

私は、以前から、ペーパーテストで1点でも高い人が入るという従来の入試ではなく、AO入試こそが、入試の基本で、将来はすべてAO入試になるべきだと主張してきた。今回の東大の推薦入試の動きは、この点から、歓迎できる。

AO入試を実効化するためには、さまざまなノウハウの蓄積と、スタッフの充実が必要である。将来的には、入学者の選抜を、専任のスタッフが通年で行うようになるべきだろう。さらに言えば、大学側が、注目すべき候補者を探索し、大学側に招く、という仕組みにしてよい。

これまでのペーパーテストによる選抜は、入試にかかる手間や、選考の際のアルゴリズムを、最小にしよう、という評価関数によって決まっていた、と感じる。突出した能力や、きわだった個性を持つ学生を集めようと思ったら、当然手間もかかるし、アルゴリズムも複雑になる。

東京大学は、今回の推薦入試の実施で、非典型的で多様な学生を選抜する際に必要なノウハウと人的資源の配置について、貴重な経験を積んだと推測する。今後は、推薦入試の人数の拡大と、さらなるノウハウ、人的資源の充実を、期待したい。

ところで、推薦入試の実施にあたっては、選考基準は単一の点数では表せない。たとえ、内部では点数化していたとしても、その基準が外部に公表されるとは限らない(私は公表すべきでははないと考える)。つまり、点数化を前提とした「偏差値」の悪習も、ようやく崩壊するだろう。きわめてめでたい。

みなさんは、今回のこの動き、どう思われますか?


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