北朝鮮のミサイル発射を論理的に考える

北朝鮮のミサイル発射を論理的に考える

北朝鮮のミサイル打ち上げについて、いくつかの点から論理的に分析します。まず、日本政府の対応ですが、今回のミサイルそのものの被害に備えるという意味に加えて、将来、たとえば核弾頭が搭載されたミサイルが発射される可能性を想定した演習の側面があったと思います。

北朝鮮は、衛星打ち上げと主張していますが、弾道ミサイルと衛星打ち上げのロケット技術には共通部分が多いわけで、その背後には弾道ミサイル開発の意図（およびそれが国際社会に与える影響の計算）があるという推測は、妥当なものでしょう。

ところで、核弾頭を積んだ弾道ミサイルは、米国、ロシア、中国、英国、フランスの第二次大戦の戦勝国を中心とした「核クラブ」の国々が持っています。もし、主権国家をすべて平等だと考えるならば、北朝鮮が弾道ミサイルを開発することも許容されることになってしまいます。

核兵器が拡散することが、世界の不安定化をもたらすことは事実で、その視点から今回の北朝鮮の行為が批判されることも当然です。一方で、今回の北朝鮮に対する国際社会の非難の背後には、主権国家は実は平等ではないという事実がなければなりません。

周知の通り、北朝鮮は三代にわたる独裁者を指導者とする特殊な国で、その国が核兵器を開発し、弾道ミサイルを持つことを、国際社会が許容しない、ということだと思われます。つまり、核ミサイルと独裁国家のかけ算が許されないのだと。

このように考えると、本当に問題にされているのは、核ミサイル自体よりも、北朝鮮の国家としての属性ということになりそうです。なぜならば、米、ロ、中、英、仏は核ミサイルを保有していても、何も言われないわけですから。

私自身は、核兵器の存在自体が、テロリストの台頭などの新しい世界情勢で不安定化をもたらし、相互確証破壊という抑止理論も無効化してきている今、核は縮減、廃絶に向けて動くべきだと考えますが、今回の北朝鮮のロケット打ち上げ騒動の背後にある以上のような構造が、気になるところです。

ところで、以上の文章は、ツイッター @kenichiromogi でやっている朝の連続ツイートをまとめたものですが、そのアイコンの絵？　を描いてみました。へたくそですみません（笑）

これからも、連続ツイートをよろしくお願いいたします。