脳なんでも相談室   



悩めるママさんのご相談


「6才の息子に英語を習わせておりますが、脳科学的に、母国語と第2言語の学習法と学習のタイミングについて、お考えを伺いたいです。どうぞ、宜しくお願いいたします。」



ご回答


第2言語の習得には、臨界期があったり、早い方がいいという考え方があります。早く始め方の場合は、第2言語も母語と重なる回路で処理しているが、遅く始めた言語は、母語とは別の回路で処理しているという研究があります。


一方で、映画『地獄の黙示録』の原作Heart of Darknessを書いたPoland出身の作家、Joseph Conradのように、20歳を過ぎて初めて英語という言語に出会い、それから英語を習得して、30歳過ぎには、英語で小説を書き、英文学史上でも特筆される仕事をした人もいます。


結論としては、第2言語の習得は早い方がいい。しかし、習得開始が遅れても、資質、学習法、努力によっては、その言語で小説を書けるくらい上達することもある。


つまり、人生のどの段階でも、外国語習得を始めるのは「今が一番いいとき」、ということになるのではないでしょうか?

なぜなら、今始める以上の早いタイミングは、ないわけですから。ベストエフォートで。


ちなみに、第2言語を習得した人は回路が強靭となって認知症になりにくいという報告があり、この効果は、何歳で習得を始めたかに関係なく、第2言語の上達度に依存するとのこと。第2言語を使いこなすことには、そのようなメリットもありそうです。