東大生の4人に1人は「アスペルガー症候群」というニュースがありました。

まず、「アスペルガー症候群」という言い方は、学術的には、今は微妙です。

2013年に改訂された、DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル)では、「自閉症スペクトラム」の一部分とされました。

また、「4人に1人」というのも、元の文章の筆者の印象であって、厳密に統計的なデータがあるわけではありません。

その上で、一つのことに没入するいわゆる「オタク」気質で、コミュニケーションが苦手な人が、ペーパーテストで好成績を上げることはしばしば見られることで、その意味で、ペーパーテストで選抜されている東大の入試で、結果として 「自閉症スペクトラム」の中にある人が一般群よりも増えることは、ふしぎではありません。

脳の個性は多様で、欠点と長所は表裏一体です。数理的な能力とか、プログラミング能力といった没入型の能力と、他人とコミュニケーションする能力の間に、ある程度トレードオフ(一方が強くなると、もう一方が弱くなる)の関係があることも事実だと思います。

 このようなニュースをきっかけに、脳の個性、多様性の大切さについて考えることができればと思います。

いわゆる「東大生」ぽさや、「自閉症スペクトラム」は、脳の多様な個性のごく一部にすぎません。

脳の色は、もっと、たくさんあります。

付記

自分はどうなんだ、と言われたら、私も、自閉症スペクトラムの中にいるかも、とは思います。特に学生時代は、コミュニケーション苦手でした。今でも得意ではありませんが。。。