バンクーバーに来る飛行機の中で、She saidとTarを見たのだけれども、Tarは、現時点での映画芸術の最高の到達点だと思う。
先日のアカデミー賞では、作品賞、主演女優賞、監督賞、脚本賞など6部門にノミネートされながら受賞しなかったけれども、相手が悪かった(「エブエブ」)のであって、実質は本当にすばらしい。
脚本がきわめてレベルが高くて、見ながら、感嘆したというかため息をつくほどすごかった。
指揮者役をやったケイトブランシェットの演技は神がかりで、他の人もいい。
扱われているテーマも時代の最先端で、しかも芸術の理解の深さが半端ない。
そして、あのラストシーン。大きな謎を投げかけて、ずっと心の中で残っている。
脚本、監督をしたトッド・フィールドさんは、デビュー作でいきなりアカデミー賞に飲みメートされて、これまでTarを含めて3作しか撮っていないという天才だ。
すごい映画だったなあ、と観終わって2日経っても時々思い出している。
(クオリア日記)