森達也監督の映画『福田村事件』を見た。

 

題材的に、商業的な劇映画として成立させるのにいろいろな難しさがあったであろうこの作品を完成させた関係者の努力に敬意を表する。

 

史実に基づき、当時の複雑な社会状況を反映させた脚本を生み出され、一つの印象的な映画となった。

 

プロダクションデザインや、衣装、ライティングなどにさまざまな工夫がある。

 

これまでドキュメンタリーの数々の秀作を撮ってきた森達也監督は、この作品で劇映画の撮り手としても卓越した手腕を持つことを示した。

 

役者ひとりひとりがいい。

 

水道橋博士が存在感を示している。

 

もっともすぐれた演技をしたのは、少年役の人だと思う。

 

当時の社会状況の中に、水平社運動などの現代から見た普遍的価値を入れ込む手法は、米国のミュージカル「ハミルトン」に通じるところがある。

 

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