医療と画像の総合情報誌 INNERVISION に掲載されていた記事になります。


放射線アブレーションだと!!??


記事のタイトルをみて、また新たな治療法が出たのかと心躍りました。


が、しかし。


心房細動治療ではなく、心室頻拍の治療法のようでした。




心室頻拍や心室細動で、カテーテルアブレーションが困難または効果不十分な症例(たとえば不整脈回路が心筋の深部にある・以前に焼灼しても再発したなど)で開発された治療法のようです。


このメリットはとてつもなく大きいと思います。


なんせ血行性に内部をいじったり、外科的に外部から内部をいじったりせず、放射線の力で身体に触ることなく治療できるのですから。


治療成績はというと、最近の系統的レビューやメタ解析でも、6か月時点での VT の発生負荷(burden)の平均削減率は約 75% と報告されています。


結構高い治療効果ではないでしょうか。


身体を直接いじるのではないため、重篤な急性合併症の頻度は低めとされています。


これだけ聞くと、ではこの治療法を最初から試してはどうかと思いますよね。


しかし、重大な欠点が存在します。


それは、放射線障害。


人体に直接放射線を照射するため、どうしてもこれは避けられません。


調べたところによると、治療で25Gy程度の照射とのことです。


怖い話をすると、25Gyの放射線を一気に全身に浴びたとするとどうなるのかというと、


致死率100%で数時間~数日の間に死亡します。


ひーーーーーー!!


怖い!


と思った方がいたらごめんなさい。


これは全身に浴びた場合であって、この放射線アブレーションでは違います。


まず、目的とする心筋だけという超局所的に照射するため周りの影響は少ない。


そして、心筋は放射線から誘発される癌には極めてなりにくいという特性があるため、一時的に25Gyあてたところで癌化するということはないでしょう。


とはいっても心筋以外の組織も多少放射線の影響を受けるため、長期的な影響は分かりません。


しかし冒頭でも書いてある通り、カテーテルアブレーションが困難または効果不十分な症例では有用性が大きいのではないかと私は思います。