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TomorrowNeverKnows

思いつくことを思いつくままに…

「法科大学院へ法学既修者として進学することを目指す学習意欲の高い学部学生を主たる読者として設定」(はしがき)したという本である。4人の学者による共著であるが,執筆者により文体が違うというようなことはあまり感じられない。全体的に,定義,要件,効果という流れで淡々と叙述されているので読みやすい。また,判例・通説が中心とされており,有力説が延々と述べられているようなことはないが,ところどころ新しい問題意識にも触れられている。そして,「要件事実論を直接に意識した記述はしない」(はしがき)とされているが,主張立証責任についてもわりと書かれている。

短所はあまりないが,ときどき初学者には分からないだろうという叙述があるぐらいだろうか。例えば,186条1項・2項の解説において,暫定真実,法律上の事実推定という用語が出てくるが,その意味についてはほとんど説明がないので初学者には全く意味が分からないだろう。