第23帖・初音は光源氏36歳の新春(正月)の出来事を書いています。平安貴族の正月風景を垣間見れるパートです。
※Top写真は佐賀県唐津市にある鏡神社。『第22帖・玉鬘』から『第31帖・真木柱』までは、玉鬘十帖と呼ばれる源氏物語でも光源氏の一生と関連が薄い外伝的状なのでTop写真を統一しています。
※この項目は、関連事項などの記事をアップしたらリンクアップデートします。
帖名の「初音」は明石の上が明石の姫君に送った和歌「年月を 松にひかれて 経る人に 今日鴬の 初音聞かせよ」からきています。
源氏物語を現代語訳された与謝野晶子さんは、次のような和歌を載せています。
「火のくにに おひいでたれば 言ふことの 皆恥づかしく頬の染まるかな」
<あらすじ>
新春(元旦)を迎えた六条院は、この世の極楽浄土の如く麗らかで素晴らしかった。紫の上に育てられている明石の姫君のもとに生母・明石の上御から贈り物と和歌が届きます。
その日の夕暮れ時に、光源氏は六条院にいる女君を訪れ、その夜は明石の上の元で過ごします。
翌正月二日には大勢の公達が訪れます。特に若者たちは噂の玉鬘のことばかり気にします。その後に、光源氏は二条東院の末摘花や空蝉を訪問します。
この年には珍しく男踏歌があり、六条院に回り来た際に、玉鬘は紫の上や明石の姫君と対面し、共に見物しました。
<第23帖・初音の主な出来事>
◎春の御殿の紫の上
<関連事項> 花びら餅 (歯固め)
<関連事項> 餅鏡
<関連事項> 子の日の松
◎明石の姫君に実母・明石の上より和歌が贈られる
<関連事項> 鶯(うぐいす)
<参考情報> 国宝「初音蒔絵調度」
https://ameblo.jp/kenmako2001/entry-12790243429.html
◎夏の御殿の花散里・玉鬘を訪ねる光源氏
<関連事項> 六条院・夏の御殿
<関連事項> 六条院・秋の御殿
◎光源氏、明石の上の元で一夜を過ごす
<関連事項> 六条院・冬の御殿
◎六条院に正月二日の臨時客が来る
◎光源氏が二条東院の末摘花・空蝉を訪問
<関連地> 醍醐寺 (醍醐の阿闍梨)
◎男踏歌が六条院に回り来る
<参考事項> 踏歌神事(男踏歌)