2023.10.17(火)
興福寺
毎年10月17日は、興福寺南円堂が年に一度だけ特別開扉される日だ。
奈良に住み、30年以上経つ。
2年前、還暦を機に西国三十三所巡礼を始め、そういう日があることを知った。
近いんだから、いつかは見たいと思っていた。
それが、今日だ!
アクセス
近いし、とりあえず午前中に行こうという計画だった。
主婦としての最低限の朝仕事を片付け、10時前の電車で奈良へ。
10時9分、JR奈良駅に到着。
JR奈良駅の周りは、外国からの観光客も多数で、にぎわっている。
観光シーズンだわ!と思いながら、興福寺を目指す。
歩くこと約15分で興福寺の一番手前、南円堂への階段下に到着。
拝観
境内に上がってみると、すでに長蛇の列。
しまった…
近いんだから、開始の9時を目指したほうが良かったかも…
お参りしてからと思ったが、まずは並ぶことにして最後尾に着く。
最高気温24℃の予報だが、意外と暑い。
じっと立っているだけだが、背中に汗がにじむ。
だが、お天気が良いことに感謝だ。
少し進むと、「大般若経転読法要」の案内の立て札!
法要は13時からだ。
HPによると、法要は拝観できるが、混雑状況により入堂規制が行われるという。
うまく法要の時間に合わせて、拝観できればと思うが、それは誰しもが同じ気持ちだろう。
法要が始まれば、その時、中にいる人は最後まで見たいだろうし、そうなると次の人は入れなくなるため、規制がかかる。すると待っている人は、ずっと待っている状態が続く。
法要拝観はあきらめて、その時間に重ならないようにとだけ考えて来たのだった。
列は進み、南円堂の左側にテントスペースがあり、そこで拝観料を払いリーフレットをもらう。
拝観料 300円
そこから少し進むと、普段は入れない、南円堂の左奥に入って行く。
南円堂の内部が少しだけ見え、期待が高まる。
階段を上がり、南円堂に沿って進む。
斜め下には、三重塔が見える。
三重塔は、北円堂とともに、興福寺最古の建物だ。
こちらも毎年1日だけ、7月7日のみ御開帳していただける。
行きたい気持ちはあったが、今年は暑さに負けた。
また、いつか…とは思うが…
この位置から見ることは、今後ないだろうと思い、とりあえず1枚。
南円堂を左(南)側からぐるりと半周ほど回り、北側、南円堂正面から見たら右側にあたるところで、ビニール袋を受け取り、靴を脱ぐ。
並んでから約30分が経過。
目の前に、五重塔が見える。
手前に、納経所前の藤棚がある。
藤の花が咲いていたらさぞかし絶景かと思うが、年に一度しかここへ来れない。
しかも10月ではそれは望めない。
興福寺にお勤めの方は、その景色も見たことがあるんだろうなと思うとちょっとうらやましい。
堂内に入る。
南円堂内部は、木造不空羂索観音菩薩坐像、四天王立像、法相六祖の全部で11の像があり、あの運慶の父、康慶一門の作だ。
ご本尊の観音様は、眉間に縦長の三つ目の目をお持ちだ。
その表情が何ともやさしげで、見るとなぜだか安心感を得るようなお顔をされていた。
もっと正面からゆっくりと、静寂の中、時間をかけて拝見したいと思うが、1日限りなので、同じ思いの人が次々と押し寄せて来て、ゆっくりも静寂もかなわず、流されるように通り過ぎねばならず、少し心残りでもある。
内部の拝観を終え、南円堂の正面に戻り、お参りをする。
いつも通り、西国三十三所巡礼の手順に沿ってお参りするが、この奥に、今、拝見した観音様がいらっしゃるのかと思うと、なんだかいつものお参りと違った気がした。
隣の納経所で御朱印をいただくために再び並ぶ。
いつもより窓口を増やしてくださってはいるが、約20分並んで、西国三十三所の軸に御朱印をいただく。
並んでも待っても、ここは必ず直書きでいただける。
本当にありがたい。
御朱印代 300円
五重塔はいよいよ令和大修理が始まっていた。
隣の東金堂も、五重塔の工事の影響で、しばらく拝観停止とのことだ。
その代わり?に、しばらくお休みだった中金堂が拝観できるようになっていた。
今日は、南円堂のみの拝観で、御朱印もいただき、満足して帰途につく。
帰路
再び15分ほど歩き、JR奈良駅へ。
電車まで時間があったので、
駅ビルの中のスーパーでお弁当を物色し購入。
それを持って、12時24分発の電車で家路につく。
13時前に帰宅し、ビールとともに買ってきたお弁当でランチ。
約半日のお出かけだったが、今年こそはと思っていたことが一つ叶って、充実感を感じた。
今日の交通費 480円
今日の万歩計
まっ、こんなもんだ。