ヒーリングっど♡プリキュア 第28話
『苦しみの再来!?ダルイゼン、あなたは』
アバン。
敵幹部と対峙するキュアグレースを突然襲った惨禍。
ダルイゼンくんは彼女の身体にメガパーツを埋め込んだのです。
メガパーツは動物に対して使用することもできることがわかった24話。 そのとき、多くの視聴者が薄々感じていたのは「もしこれが人間に投与されたら」ということ…
危惧していたことが、ついに起きてしまいました。
そのころ、全話で行われた気球大会の打ち上げが行われていましたが、のどかのお母さんが娘の姿が見えないことに気づいた一言で、他のプリキュアメンバー3にんも仲間の姿がないことに気づきます。
グレースの身体を侵蝕していくメガパーツ。
変身は強制解除されてしまいます。
ダルイゼンくんいわく、メガパーツがいつ身体から出ていくのかはその相性次第。
さらに彼は、「自分の意思じゃ取り出せない」と言ってましたが、おそらく誰の力であろうと取り出すことは不可能なのでしょう。
それは事を仕掛けた本にんであっても…
第三者にできるのはせいぜい心配することくらいで、物理的な手助けは何もできないのです。
と、そこに駆けつけたフォンテーヌ、スパークル、アース。
その3人にも事の経緯を話したダルイゼンくんは、その場を去っていったのでした…
アバンはいつも通りのどかとラビリンの自己紹介から始まっていましたが、いやいや今回ばかりはいらなかったのではと思います💧
「地球さん、今日はお加減いかがですか?」
ってこんなタイミングで言われても、「いやアンタのお加減が大丈夫かよ‼️」ってツッコミしか返ってこないと思います(爆)
前回からの展開が展開なのに出だしがいつも通りだったのでシリアス感が薄れてだいぶ拍子抜けしてしまいました^^;
Aパート。
のどかは花寺家の車で直ぐに病院へ行くことに…
この状況下でのどかの両親が危惧していたこと。
それは“再発”の可能性でした。
以前、彼女が闘ってきた病気と症状が似ているらしいのです。
以前の病気は原因不明で、なぜ治ったのかもまた不明。
「あんなのはもう二度とごめんだ」
娘の過去をみんなに話したあと、少し下を向きシリアスな口調で呟くのどかのお父さん。
ヒープリの放送が開始されてからしばらく経つと、一部の視聴者の間では、「のどかの身体には手術痕がある」という噂がささやかれていました。
しかし、原因不明とあっては手術すらできなかったのではないかと考えられます。
車が出たあと、ひなたはメガパーツのことをのどかの両親に話さなくてよいのかと発言。
しかし、「それを知ったら余計に心配するし、知ったところで治せるわけではない」という妖精たちからの反対を受け浮かない表顔をしつつも納得するひなた。
ほかのふたり(ちゆちーとアスミ)も、メガパーツのことを打ち明けるのには乗り気ではなかったようす。
言っても言わなくても状況が変わらないのなら言わないほうがいい… それはその通りだとマナラー教祖も思いました。
メガパーツのことを話すとなると、メガパーツそれだけを話すというわけにはいかなくなります。
メガパーツとはなんなのか。
なぜのどかがそのようなものと関わっているのか。
事の果てにはヒーリングガーデンという世界で過去に起きた事から現在に至るまでの経緯全てを話さなくてはならなくなります。
娘の身体の状態が正常ではないこのタイミングでそのような話をされても混乱を招くだけでなんの意味もありません。
ましてや21話でアスミが花寺家に居候することになったとき、彼女を見たのどかの両親は今までのシリーズの家族と比べてリアルな反応をしているところを見ると、プリキュアの話をされたところで、その事実をすんなりと受け入れることはできないでしょう💦
のどかの両親が自分の娘に付いていられるようにと、この日はアスミとラテはちゆちーの家に泊めてもらうことに。旅館のお客さんとしてでしょうか…
ラビリンは一瞬の隙をついて車の窓の隙間から乗り込み、花寺一家とともに病院へ向かっていました。
ラビリンもちゆちーの家に泊めてもらうという選択肢もあったはずなのに、できるならのどかと一緒にと必死になっていたのだと思います。
その日は、プリキュアメンバーと妖精全員が不安な夜を強いられることとなったのでした…
ひなたは先週が誕生日だったのに終盤のショッキングすぎる展開に全部持っていかれてしまいました。タイミングがタイミングすぎます😱
そのころ、場面変わってビョーゲンキングダム。
キングビョーゲンさまから「近頃地球を蝕むことがおろそかになっている」と指摘を受けるダルイゼンくん。
ビョーゲンズの長からしてみれば基本的には地球を蝕むことが最優先事項。しかし最近のダルイゼンくんはメガパーツに関する実験ばかりに力を注いでいたため、そのような苦言を呈されることになったのです。
「メガパーツを使って、三幹部のような知性を持った仲間(テラビョーゲン)が増えればメガビョーゲンを生み出せるひと手が増えるためそのほうが結果的にはかどると思った」
と一応もっともらしい理由をつけるダルイゼンくん、、
その言葉が本意なのかどうかはわかりませんが、めんどくさがりな彼の性格を考えると本意なような気もしなくはないです(汗)
同じくテラビョーゲンである“バテテモーダ誕生”のときのように、通常テラビョーゲンは
テラビョーゲンがナノビョーゲンを生み出す。
↓
ナノビョーゲンがエレメントさんを取り込んで メガビョーゲンに進化。
↓
メガビョーゲンが成長し、“種”を吐き出す。
↓
“種”が生き物に寄生。
↓
知性を持った『テラビョーゲン』が誕生。
という過程を経て誕生します。
しかし、24話の“ネブソック誕生”からもわかるように、メガパーツからテラビョーゲンを生み出すことも可能なのです。
“種”からテラビョーゲンを生み出そうとする場合、メガビョーゲンの成長を待たなくてはなりません。なぜなら生まれたてのメガビョーゲンにはその“種”を吐き出す能力はないからです。
この“種”はテラビョーゲンの命のもととなるものであり、通常の生物でいえば精子や卵子に該当するものであると考えられます。
その精子や卵子はある程度肉体が成長しなければ身体の中では作られません。
メガビョーゲンの吐き出す“種”も同じことなのです。
しかし、メガパーツは成長を待つ必要がありません。
誕生したばかりのメガビョーゲンからもすぐに採取できるものであり、成長を待つことなく“種”が手に入るという効率の良いものなのです。
その“新型の種”を生き物の身体に埋め込むことで、お手軽に新テラビョーゲンが生み出せるというわけです。しかも短時間に無数に採取できるという優れものです。
ましてやめんどくさがりなダルイゼンくんにとってはこのメガパーツは好都合な存在ではないでしょうか。
そして今回、運悪くそこへ駆けつけたキュアグレースこと花寺のどかにそれを埋め込んだというわけです。
全てにおいて興味のなさそうなダルイゼンくんが今回のような行動をとったことについて疑問を感じるグアイワルさんとシンドイーネ姐さん。
当にんいわく、ただの気まぐれとのことですが、果たして…
翌日。
のどかはかかりつけの病院で一夜を過ごしていました。
院長先生から呼び出しを受け、娘の病気について説明を受けるのどかの両親。
告げられた言葉は、ふたりの不安を大きくさせるには充分なものでした。
以前と同じく倒れた原因は不明であると…
本人を含めたプリキュアメンバーとそのパートナー、そして視聴者は今回のどかが倒れた原因はメガパーツであると把握しています。
しかし、それは人間による医療科学で解明できるほど単純なものではないのでしょう。第三者からしてみれば、得体の知れない怪物から採れた塊が身体に入ったのです。
「前だって治ったんだから今度だって!」
「神さま、どうかのどかを助けてください!」
誰かに言われるまでもなく絶対に諦めないという強い意思のもと、目をつぶり祈るように手を組むお母さん。上を見上げ、天に助けを求めるお父さん。
なんの事情も知らない彼らからしてみたら、今の娘の症状は恐怖でしかないのですから…
もちろん、のどかを心配しているのは両親だけではありません。
のどかとラビリンを除いたいつものメンバーは、平光家のワゴンカフェでこの件について話し合っていました。
ちゆちーは一つの仮説を唱えます。
それは、のどかが前にかかっていた病気もメガパーツのせいなのではないかということです。
というのも、のどかの以前の病気と、メガパーツによる今回の症状には2つの共通点があります。
一つは症状が同じなこと。
もう一つは現代の医療科学の力では原因は特定できないと判断されたことです。
というよりも、以前の病気の時と状況は全く同じです。
以前の原因がメガパーツでなかったとしても、ビョーゲンズが関係していたのではという考えに至るのは自然なことです。
ペギタンたちによると、やはりその可能性は大いにあるとのこと。
テアティーヌさまが元気だったころも全てのメガビョーゲンを浄化できていたわけではないのです。
そして、そのメガビョーゲンも最近出てきた新種の敵というわけでもなさそうです。のどかたちがプリキュアになる前から、いや生まれる前から、いや、地球に生命が誕生した時点で既に存在していたかもしれないのです。
1話の時点でダルイゼンくんも「プリキュア?あのいにしえの…」と発言しています。
プリキュアという存在が大昔から有ったということを示唆していたのです。
そして、メガビョーゲンの中には初期段階で浄化されることなく成長を続けてしまい、知性を持った『テラビョーゲン』に進化する個体もいるのだとか。
劇中に登場した者を挙げると、“ビョーゲンズ三幹部”、“バテテモーダ”、“ネブソック”がそれにあたります。
その話を聞き、
「うえ"ぇ〜⁉️あいつらもともとメガビョーゲンなの⁉︎ … 何がどうなってああなっちゃうわけ〜⁉️」
と5年前の主人公キュアのポーズで驚愕するひなた。
ただ、「メガビョーゲンがどういう過程を経てナノビョーゲンになるのか」についてはヒーリングアニマルたちも詳しくは分からず…
細かいことを考えるのは苦手そうなひなた。不安と難しさで頭が大混乱なようす💧
とここでアスミが、みんなでのどかのお見舞いに行くことに行くことを提案します。
「家族も動揺しているなかで、何もできない自分たちが行くのは…」
と気の進まないちゆちーとひなたでしたが、「不安で心配なら行ったほうが」という結論にいたり、アスミたちはのどかたちのいる病院へ向かいます🏥
そのころ、病室で苦しそうに寝ているパートナーを横に、ラビリンは涙を流していました。
ヒーリングアニマルという立場にいながらどうしてよいのかわからないこと、のどかをパートナーに選んでしまったこと、そして自分たちの世界のいざこざにまきこんで再び彼女を苦しめる結果になってしまったこと…
それらを悔いていたのです。
シリーズにおいて、プリキュアというのは基本的には協力者といった立場にあります。
妖精たちの世界に敵が攻めてきたことを発端として物語が始まり、自分たちでは対処不可能となった妖精たちがプリキュアに助けを求めるというのが定番のスタンスです。
つまりプリキュアたちは、物語の元凶となる事件とは本来無関係な人間が圧倒的に多いのです。
今回でいえば、ヒーリングガーデンという妖精たちの暮らす世界にビョーゲンズという敵が攻めてきて、本当ならばテアティーヌさまがその世界を守る立場にあるはずなのですが、敵との戦いで負傷したため力を発揮することができなくなり、代理が必要になったのです。
その代理がプリキュアであり、のどか、ちゆ、ひなたの3人であるというわけなんですねー…
前述したように、彼女たち3人はヒーリングガーデンの事件とは本来まったくの無関係でした。
しかし、テアティーヌさまの代理として誰かが必ず選ばれる必要があったのです。
今作に限った話ではありませんが、プリキュアに選ばれること、そして妖精界の事件に関わることになったこと、それは“運命”だといえるでしょう。
いい方は悪いですが、誰かをまきこんで物語が成り立っているのがプリキュアといっても過言ではないわけで…
妖精側に対処できる力がないため仕方ないのでしょうけど💦
そして、今回“まきこんでしまった”のは、過去に長い間原因不明の病気で苦しみ、やっと回復したばかりの少女でした。
耳を垂らし、号泣するラビリン
長い苦しみからようやく解放され、あるべき幸せな日常が戻ってきた者を再び苦しみの世界へ戻してしまった…
そう考えると、無性に悲しくなったのでしょう。
大粒の涙を流すラビリンにのどかは、
「泣かないで。大丈夫だから」
と、苦しみながらも笑顔で声をかけ、以前の経験と今の違いを語ります。
「前はね、原因が分からないままずっとずっと苦しいのが続いて… 今はビョーゲンズのせいだって知ってるもん。… 心は頑張れる。」
そう。症状は同じであれ以前の状況との最大の違いは、のどかが倒れた原因が分かっているか否かです。
この違いは、のどか本人にとってかなり大きなものといえるでしょう。
なぜなら、原因を把握していることによって精神的負担が以前と比べてかなり軽くなっているからです。
原因が分からないぶん、対処のしようがなく、不安も重なります。でも分かっていれば「なんとかなるのではないか」という希望が、わずかながらでも生まれてくるのではないでしょうか。
だからただ治療するだけではなく、病名やその原因、身体の悪い部分を患者さんやその家族に伝えることは相当重要であるといえるでしょう。
把握していなければ、肉体的苦痛と精神的苦痛の両方が患者さんにのしかかります。後者は家族や知り合いにもです。
まぁ、のどかの両親には今回の原因は伝えていませんが、本人からしてみればかなり気持ちとしては以前と比べて軽いはずです。
また、そう考えると、アスミが「みんなでのどかのお見舞いに…」と提案したのは非常によい判断でした。
たしかに、今ののどかは物理的にどうにかできるものではなく、第三者が彼女の肉体的苦痛を取り払うことは不可能です。
しかし、精神的苦痛ならどうでしょうか。
ただ一人、病室のベッドの上で苦しみと闘い続けるのと何にんもの仲間が側にいるのとでは気持ちは全然違うはずです。
精神的影響が肉体に変化を及ぼすこともよくある話で、例えば、テストが近くなるとお腹が痛くなる… などがありますね。
そして実際、精神的にポジティブになった影響なのか、重いガンが完治したという話も聞いたことがあります。
そして、お見舞いに行く側も患者さんの状態を確認することによって精神的負担(不安)を少しでも取り除くことができるでしょう。
身体はつらくても、心は頑張れる。
のどかのこの発言はとてもうなづけます。
これはマナラー教祖の私事ですが、高齢だった大伯父さんが一昨年に亡くなったのですが、入院してから亡くなるまで、誰もお見舞いにきてくれなかったそうです。
最近亡くなった奥さんも脚が弱っていて行けず、息子さんも来ず…
実は同じ時期に大伯父さんの弟である祖父も、同じ病院に入院していたのですが、祖父の場合、妻、長男、次男夫婦、孫(マナ教)と5人の親戚に加えて、母方の祖父(マナ教からみて)までお見舞いに来ていました。祖父は退院し、今も元気に暮らしています。
知り合いや家族に入院している方がいたら会いに行ってあげたほうがお互い、精神的にもかなりいいはずです…
闘病生活において大切なのは、身体だけでなく心もであると、またこのアニメからひとつ、認識させられました。
さらに、「ラビリンと出会って、プリキュアになって、毎朝ランニングもして強くなったんだから絶対負けない」とラビリンの手を握って気丈にふるまうのどか。
その言葉はラビリンを心配させないためにというだけでなく、のどかが自分自身を奮い立たせるために言ったようにも思えます。
一見以前と状況は同じように見えても、大きく違うところがある。だからきっとすぐに元に戻れる。そんなひとすじの希望にすがったのかもしれません。
とそのときでした。
パートナーの手を握ったのどかの手からピンク色の強い光が。
あるひとりの少女の身体に起こった“何か”。
その“何か”とは…
©️ABC・A・東映アニメーション