明日はクリスマス
ポッケ達はプレゼントを入れてもらう為のくつしたを用意していました。
「ねえねえ、モネは何がほしいの?」
ポッケはモネに聞きました。
モネはしきりに胸のにんじんのマークを指差します。
どうやらモネはプレゼントににんじんがほしいようです。
「フフフフ・・・( ´艸`)」
「コレを見ろよ!!」
「これは入れるところが5つあるから五倍もらえるな!(≧▽≦)」
もぐさんは五本指ソックス(右足)を置くようです。
「明日が来るのが待ち遠しいぜ!」
ホクホク顔でもぐさんは寝床へつくのでした。
「どうしてクリスマスにプレゼントがもらえるんだろ・・・?」
そう考えると、ポッケは寝付かれなくなってしまいました・・・
カサカサカサ!!
何か物音がします!
「あれ?誰かいるの?」
「あっ!ピッピちゃん!」
物音の正体はピッピちゃんでした。
「やぁポッケ!まだ起きていたんだね、僕は君たちにわたすものがあってココに来たんだ!」
「コレをあげるよ!」
そう言うと光り輝く結晶をポッケに手わたしました。
「これは?」
「コレはね、ありがとうの結晶なんだ!コレを持ってないとサンタさんは来られないんだよ。」
「え?ピッピちゃんが僕に?どうして?」
「覚えていないのかい?君たちはこの前、僕を助けてくれたじゃないか!」
ポッケは思い出しました・・・
ポッケは葉書を出しに行くとちゅうで足をけがしたピッピちゃんを見つけました。
ピッピちゃんの足の傷口から流れる血はなかなか止まりません・・・
どうして良いかわからないポッケはもぐさんとモネを呼びました。
けがをしたピッピちゃんをみて、もぐさんは
「血を止めるには、ヨモギが必要だ!ヨモギは無いか?!」
辺りを見回しましたが、ヨモギは見当たりません。
『!』
もぐさんはポッケの持っている葉っぱが目に入りました。
「ポッケ!ポッケのその葉っぱ、モネの絵の具に使わせてもらえないかな?」
「モネにヨモギを描いてもらってヨモギを出さないと、ピッピちゃんの血を止めることが出来ないんだ・・・」
お母さんに近況をしたためた葉書でしたが、ポッケはピッピちゃんのケガのちりょうのために使う事にしました。
ポッケの持っていた葉っぱをすりつぶし緑色の絵の具を作ったモネはキャンパスにヨモギの絵を描き始めました。
モネの描いたヨモギの絵は命を宿しキャンパスから生えて来ました。
ポッケたちはヨモギをすりつぶしピッピちゃんの傷口に塗ると、しだいに出血が治まってきました。
「血が止まればもう大丈夫だ!」もぐさんは言いました。
しばらくみんなでピッピちゃんの看病をすることにしました。
ポッケたちの治療と看病の甲斐あってピッピちゃんのケガは治り、ピッピちゃんは空を飛べる様になりました。
「僕たちトリはね、羽ばたくだけでは空に飛べないんだよ」
「地面を蹴って跳ね上がってから羽ばたいているんだ」
「足をケガをしては本当に空に飛ぶ事は出来ないんだ、君たちのおかげでまた空を飛べる様になったんだよ」
「本当に、本当にありがとう・・・」
そう言うとピッピちゃんは消えてしまいました・・・
まわりをみわたすとみんなのくつしたに「ありがとうの結晶」が入っていました。
「あれ?」
さっきまでの鼻の頭が痛くなるほどまでの寒さがやわらぎ、ぽかぽかと暖かくなってきました。
不思議に思ったポッケは外をのぞいてみました。
「うわぁ~!!」
空からキラキラ輝く粉雪が舞い降りてきています。
「雪だぁ~!!」
ポッケは舞い降りた雪を手に取りました。
それは雪ではなく、ほのかに温かい光の粒でした。
光の粒があたり一面を埋めつくすと、真っ暗だった森がぼんやりと明るくなっていきました。
カッ!!
まばゆい光がポッケを後ろから照らしています。
何かの気配を感じたポッケは後ろをふりむきました・・・
まばゆい光の奥に何かがいます。
最初ポッケにはまぶしくて見えませんでしたが、次第にまぶしさに慣れてきたポッケは何かが近づいているのが見えて来ました・・・
「??」
まばゆい光に目の慣れたポッケに見えたもの・・・
それは青く輝くクリスタルのトナカイさんでした。
トナカイさんはポッケの「ありがとうの結晶」に鼻を近づけると、
「あっ!!」
ポッケの「ありがとうの結晶」はトナカイさんの頭の中に吸い込まれてしまいました。
トナカイさんは「ありがとうの結晶」の入った頭を勢いよく振り上げると
「ありがとうの結晶」はトナカイさんの頭をすり抜け夜空高くへ舞い上がりました。
「ありがとうの結晶」は降り積もった光の粒を引き寄せながら、どんどん高く舞い上がっていきます。
高く舞い上がった、たくさんの光の粒はヒトの様な形に集まり、ポッケの前に降りて来ました。
「メリィィィー クリスマァァス!!」
ワシの名前はサンタクロース、君は何と言うお名前なのかな?」
「え・・・あ、ポッケ・・・です」
「ポッケや、ちょっとこの結晶を借りてても良いかい?」
「ありがとうの結晶」を手にしたサンタさんにトナカイさんが近づいて来ました。
トナカイさんはサンタさんの手に持った「ありがとうの結晶」に鼻をすり寄せると「ありがとうの結晶」がトナカイさんの中に入っていきました。
「ありがとうの結晶」はトナカイさんの鼻の所で赤く輝き始めました」
「フォッフォッ!こいつの鼻が暗い夜空を照らしてくれるから助かっているんじゃよ」
そう言いながらサンタさんがトナカイさんの頭をなでると、トナカイさんは嬉しそうにサンタさんの頬に鼻をすり寄せました。
「さて、そろそろ行くかの・・・」
サンタさんとトナカイさんは飛び立とうとした、その時。
「あのっ!」
意を決した表情でポッケはサンタさんを呼び止めました。
「ぼく・・・ピッピちゃんから ありがとうの結晶 をもらったんです」
「あの・・・ぼくも・・・ぼくも、ピッピちゃんみたいに ありがとうの結晶 をあげたいんです」
「フォッフォッ」
サンタさんはポッケを見て微笑んでいます。
「フォッフォッ! ポッケ、君にいいものをみせてあげよう!」
そういってポッケの手を取るとサンタさんはどんどん高く夜空に浮かんでいきました・・・
「うわぁ~!!」
ポッケの目の前に幻想的な光景が広がっていました。
たくさんの「ありがとうの結晶」が足元でキラキラ輝いています。
「キレイじゃろ?」
「君に借りた、ありがとうの結晶に共鳴して輝きを増しているんじゃよ」
キラッ!!遠くの方で強い光が見えたかと思うと、花火の様に広がりながら、ありがとうの結晶と同じ色の光が、たくさん大地に降り注いでいます。
サンタさんはポッケに聞きました。
「ポッケや、君はありがとうって言われると、心がポカポカ暖かくなるじゃろ?」
ポッケはうなずきました。
「ありがとうの結晶はね、元はその ほのかな心の暖かさだけなんじゃよ、たくさん言ってたくさん言われて、そうして集まった、たくさんの温もりから、ありがとうの結晶は生まれるんじゃ・・・」
「おおぉぉ!!ポッケや、目の前を見てごらん!」
「あっ!!」
ポッケの目の前に大きな「ありがとうの結晶」が生まれていました。
「フォーフォーフォー、これはこれは大きな結晶じゃわい!」
「ポッケや、君はたくさんの ありがとうをあげたいのじゃな。」
サンタさんは嬉しそうに言いました。
ポッケの目の前にある大きなありがとうの結晶は膨らむ様にどんどんと大きくなっていきます。
ピキッ!!
ありがとうの結晶にヒビが入ってきました。
「あぁ!!ダメっ!!」
ポッケが思わず叫んだその時
パリンッ!
まぶしい光を放ち、ありがとうの結晶は爆ぜて(はぜて)しまいました。
爆ぜた(はぜた)ありがとうの結晶は小さい破片となり光の尾を引きながらバラバラに飛び散って行きました。
先程の遠くから見えた花火の様な光は大きなありがとうの結晶が世界中に飛び散り大地に降り注ぐ光景だったのです。
「ポッケや、君のありがとうって気持ちは、君が届けたいみんなに届いているよ」
いつの間にか地面は「ありがとうの結晶」から放たれる暖かい色の光に包み込まれていました・・・
「さて、仕事に取りかかるかの!」
サンタさんはトナカイさんの首をなでると、トナカイさんの首には光り輝くベルが巻かれ、
「ポッケや、手を貸してごらん」
サンタさんが手を触れると、ポッケは光のベルを手にしていました。
サンタさんは夜空に右手をかざすと、大きな光のベルが現れました。
「よぉぉし!行くぞい!!」
サンタさんはトナカイさんを連れ夜空を飛び始めました。
サンタさん楽しそうなリズムを取りながらベルを振ります、振られたベルからはいろんな色の光の粒が綺麗な音色を出しながら大地に舞い降りています。
ポッケもベルを振ってみました。
ベルからキレイな音の出る光の粒がふわっと広がり大地に降りて行きました。
ポッケは楽しくなって、たくさん振りました。
サンタさんとトナカイさんとポッケは音の出る光の粒を撒きながら舞い踊るかの様に夜空を飛んでいます。
「あれ?」
ポッケは大地に光の粒が降り注がれる程、サンタさんやトナカイさんの輝きが薄くなって来ているのに気付きました。
どんどん、どんどんと光の粒が降り注がれる度にサンタさんの輝きは鈍くなっていきました。
大地に星空が映り込んだかの様な光景になる頃には、サンタさんとトナカイさんはおぼろげな光になり形が分からなくなっていました。
ポッケの持っていた光のベルもいつのまにか小さな光の粒になっていました。
「ようやくワシ等の仕事も終わったワイ・・・」
「ありがとうの結晶をプレゼントに変える光の粒を作るのにはね、お日様ををひと回りする時間がかかるんじゃ」
「ポッケ・・・次にあえるのは
ポッケの持つ光の粒の音色に共鳴するかの様に、トナカイさんの鼻の結晶にヒビが入っていきます。
「忘れんようにのぉう」
サンタさんはトナカイさんの鼻からありがとうの結晶を取り出しポッケにわたしました。
目覚めると、ポッケの靴下にはたくさんのお菓子が入っていました。
モネの靴下には、にんじん(泥付き)が入っていました。
もぐさんを見ると・・・
五本指ソックス(右足)の中に五本指ソックス(左足)が入っていました。
「サンタさん・・・おれ・・・靴下、片方無くしたと思ったのかな・・・」
2足になった五本指ソックス(左足)を見て、もぐさんは肩を落としていました。
おしまい