ぞうさんのナゾ | 健康の輪

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日本人の寿命は世界トップクラス!
しかし健康寿命はどうでしょうか?
高齢化社会に備えて健康づくりが大切です

ハンク・グリーン氏:
細胞が増殖する際に不具合が
起きることが、ガンが怖いとされる
一番の点です。
その理屈からすれば、体格の大きな
動物の方が、細胞がたくさんあって
長生きするぶん、ガンに罹りやすい
のではないかと思いますよね。
ところが不思議なことに、
そのようなことはないのです。
この生物学上の謎は、
「ペトのパラドックス」と
呼ばれており、研究者たちはその
解明に取り組んでいます。
例えば、体が大きな長寿の動物は、
細胞の暴走を防ぐ仕組みを
発達させてきたことがわかって
きました。
ところが、その仕組みがどのような
ものなのかは、実はまだ解明に
至っていません。
しかし、ゾウについてはわかって
きています。
数年前、2つの研究グループが、
ゾウにはTP53という
ガン抑制遺伝子のコピーが20種類も
あることを突き止めました。
ヒトを含め、大半の動物が
持っているコピーは1種類のみです。
この遺伝子は、壊れたDNAを
修復したり、修復不能な損傷を
受けたDNAを破壊したりする
働きを持つ、
p53たんぱく質を生成します。
ゾウはこのたんぱく質を多く
持つため、ガンの成長を抑制する
ことに優れています。
実際に、ゾウの細胞数はヒトの
約100倍ですが、優れた抑制機能により、ガンの罹患数はヒトより
少なく済んでいます。