離れた郷里、海外生活、新型コロナなどの感染対策で面会できない、家庭のプライバシーを守りたい、など、私自身が患者さんの元に行くことができない場合があります。

 このような状況で、病気やケガに罹った家族や知人、患者さんに対して、自分が「気」の整体で役立つことができないのは、本当につらいことでした。生命エネルギーである「気」を調整すれば、傷病の回復にプラスになることは分かっているのに大切な人を施術できない。直接、会いに行けたら


 会えない状況でも、できるだけのことをしたい、これが遠隔施術を始めたきっかけでした。


 幸い私は、写真のなかの身体から「病の気」を感じることができました。良い「気」を送り「病の気」が、感じなくなるまで、何回も施術を繰り返しました。たとえ、いったん「病の気」を感じなくなっても、それで「気」の状態や回復ができたとは限らないと考えて、しばらくは、時間を置き、日を置いては、また写真を通して身体を調べて、施術を繰り返しました。

 結果、連絡して状況を確認すると、身体が楽になり、症状が安定したとの報告を受けました。

 こういう事例をたくさん積み重ねてきました。

 もちろん、直接の施術や指導の方が、やれることも多く、効果も高く、確認がしやすいのは事実です。

 因果関係は正確には分かりません。症状のある患者さんは、医療の処置も受けており、本人も回復のために養生しています。時間が経過すれば、症状が自然に落ち着くこともあるものです。

 さまざまな影響の可能性がありますが、遠隔施術前と後に連絡をとると、症状は治まっている、という報告が何回もありました。

 これは直接身体に施術したときと同じ反応でした。


 家族が、副鼻腔炎を悪化させ、脳に影響が出て倒れ、救急搬送され入院しました。緊急に脳を守るため、頭部の手術を受けました。

 面会ができない間は、起きている間中、時間を作って写真に「気」の施術を行いました。会えるようになったら毎日のように施術を行って、症状の軽減を試みました。

 当初、命に関わる可能性が20%といわれた手術を乗り越えて、今はリハビリを行い、後遺症を軽減させながら、元の職場に復帰しました。

 同じような状況の患者さんでは、10%くらいしか職場復帰はできてないとの話も聞きました。

 医療関係者の皆さんも最善を尽くしてくれたし、本人も、私をはじめ家族や友人たちに叱咤激励を受けながら、体力や体調を改善させようと頑張りました。だから、施術や指導による正確な因果関係は分かりません。

 でも、日々症状が出ても、その都度、施術によって治まっており、残っている後遺症の回復も少しづつ進歩を続けています。