岡村さんは続けて、「しかし、結婚てのは、あれだな。金がはいってきているウチはいいが、パッタリ途絶えると、縁が切れるな。結婚前は、愛だの恋だのと言ってるくせに、いざ、一緒になってみると、ホラ、あれだよ。金の切れ目が縁の切れ目、ってやつだよ。」と言った。
金の切れ目が・・・
なんとなく、ドキッとさせられる言葉だ。
「そうですか・・やっぱ、お金ですかね・・ウチは、産まれたばかりの子供が一人いるんですよね。」と返事をする。
すると、岡村さんは、「子供か・・それは、離婚するわけにはいかんな。子供まで迷惑かけるわけにはいかんやろ?親の都合で。」と言った。
確かにそれはそうだ。まるっきり、親の都合だ。
「子供だけは守ってやれ。それが最低限の親の務めだ。ま、俺は守ってやれんかったけどな。」と、岡村さんが意外なことを言う。
岡村さんは、単にうるさいだけの人かと思っていたが・・人は話してみると分からないものだ。
「ところで、なんで岡村さんは河川敷に?」と、さっきから気になっていることを聞いてみた。
「ん?あぁ?俺か?釣りだよ、釣り。職安に行っても仕事ねぇからな。」
そう言うと、岡村さんは、持っていたバッグの中から釣竿を引っ張り出して釣りの準備を始めた。




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