岡村さん、まだ仕事決まってないんだ・・
と、何か、変な安堵感と共に、焦燥感が心の中に湧き上がってきた。
岡村さんは、心なしか、重い足取りでハローワークの中へと吸い込まれて行く。
「さて・・と。」
俺もクルマを降り、
岡村さんに続いてハローワークの自動ドアの前に立つ。
自動ドアがスーッと音もなく開くと、そこは、なんだか日常とは隔絶されたような世界だ。
「・・・番のカードをお持ちの方」というコンピュータ音声は銀行みたいだけれど、その声に誘導されるようにして窓口へ向かう人達の足取りはどれも重く感じられ、銀行とは別世界なのだとわかる。
それを見ていると、仕事がない=収入がない=生活出来ない、ということが実感できる。
一通りの手続きを済ませ、
職業検索をする為に割り当てられたパソコンに向かう。
マウスを手に持つ時は、いつも家族を支える職業に出会えますように、と、祈るような気持ちだ。
大体、裏切られる事が多いけれど。
出会ったところで、自分が採用されるとは限らない。
なんだか、二段階のフルイにかけられている気分だ。




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