監督 古川卓巳
ブラックホークのジョー(宍戸錠)
ルガーの健(小高雄二)
黒崎(芦田伸介)
式場(金子信雄)
宮田(上野山功一)
梨枝(笹森礼子)
テルミ(楠侑子)
1962年/日本
お勧め度
★★★☆☆
ルガーの健は、ブラックホークのジョーの尻を追いかけている。ジョーにかかった懸賞金を狙っている。用心棒稼業が生業だ。
ジョーが銃撃戦を展開して激しく破壊された店に行って「俺を用心棒にしな」とマスターに交渉を仕掛けるが、用心棒などいらない、その代わりジョーの付けを支払え、支払わないときには警察の連絡する、と脅され泣く泣く金を支払うという滑稽なお人よしでもある。
健
ジョーは舶来のオープンカーに乗っていたところ、峠で車の調子が悪くなる。
ジョー
そこに通りかかった梨枝の車にけん引してもらい、蜂巣市まで行く。海辺ののどかな街だ。少々閉鎖的なところがあり、牽引されるジョーの車を町の人たちは警戒心を含んだ目つきで眺めている。
梨枝
自動車の修理工場へ行くが、その工場主の宮田はいう。
「街を出て行ってくれ」
「車が故障していては出ていけない」
部品を取り寄せる関係で数日かかると話をしていると、そこに地元のやくざ式場らがやってきて宮田にいう。
「みかじめ料を払ってもらおう。儲けの3割だ」
宮田は銃を持ち出し抵抗するが、そこにジョーが割って入ってやくざたちは引き上げていく。
宮田
宮田の話では町は黒崎に支配されている。市長を殺害して街をわが物にした。誰も怖くて手を出せない。警察も黒崎には手を焼いている。みかじめ料を払わない店はつぶされる。
宮田はジョーに助けられたことに礼を言い、先ほどの言葉を詫びる。ジョーが黒埼の一味と思っていたらしい。
ジョー 宮田
夜、単身で黒崎の経営するバーに飲みへ行くジョー。そこでバーテンの出した「本場スコッチ」を飲んで「これは国産のウイスキーだ」と因縁をつける。見ていた若いもの二人がジョーにヤキを入れようとするが、ジョーは二人を叩きのめす。するとそこに宮田の整備工場にきた式場が出てきて凄むのだが、逆にジョーは「俺を買わないか。役に立つぜ」と交渉する。式場は「覚えておこう」と返す。ジョーは悠々と店を出ていく。
ジョーが街にやってきたことを聞いた黒崎は慌てる。あいつのせいでどれだけの組がつぶされたか…。
「ここは俺の街だ!あいつをどうにかしろ!」
黒埼 式場
翌日、式場はジョーのいるホテルへ行く100万円を渡し「街から出て行ってくれ」と頼むが、「ケタがちがうな」とジョーはそれを断り、式場の持っていた銃を奪いホテルから追い出す。
その後ジョーは黒崎組の連中のタカリ行為を片っ端から阻止し、街の住民に感謝されるようになっていく。
黒崎組はジョーの監視を始める。街中に組員を配置しジョーの行動を見張るようになる。
宮田はジョーを教会へ連れていく。そこには車を牽引してくれた梨枝がいて、中にはジョーに協力して黒崎を一掃したいと考える町民が集まっていた。
しかしジョーは「自分は悪党だ、俺にかかわるとろくなことがない、街を良くするのは警察の仕事だ」といって教会を出る。そのあとを追って梨枝はジョーにいう。
「この街を出て行って。あなたがいると何か悪いことが起きそうな気がする」
「俺は自由さ」といって立ち去るのだった。
梨枝 ジョー
ジョーはホテルで寝ているところを狙撃される。が、それを華麗にかわし、逆に返り討ちにしようと狙撃者のあとを追うが逃げられる。
するとジョーは、わざわざ黒崎の店に出かけ、度胸の良いところを見せつける。
「後で礼はするからな」
ジョーは黒崎の経営する賭場に乗り込みルーレットで500万円の大勝ちをする。
ジョー
地団駄を踏む黒崎。店を出た後、ジョーは宮田の迎えの車に乗る。そのあとをつけてくる車がある。銃撃されるが、返り討ちにする。
宮田 ジョー
しかし、後日、宮田が拉致される。梨枝がジョーのホテルに来てそのことを告げる。梨枝は宮田の妹だったのだ。そして殺された市長というのは宮田兄妹の父親だったのだ。
「兄を父の二の舞にはしたくありません。探してください」
梨枝 ジョー
そのころ健はジョーを追って蜂巣市へやってくる。健をジョーと間違えた黒崎の手下が健を襲い、逆にやられて黒崎の事務所へ案内させられる。健は黒崎に交渉を仕掛ける。
「俺を雇えば組を守ることができる。ジョーに対抗できるのは俺だけだ」
そしていくら出すか金の話をし始める。
その後、宮田は死んだとがわかる。崖から海へ車が転落していた。教会で厳かな葬式が営まれる。梨枝は悲しみに暮れ、ジョーは励ます。
「女の私に何ができて?」
「悲しいときは夢を見るのさ」ジョーは答える。
梨枝は拳銃でカタをつけようとするジョーを心配する。
ジョーは黒崎の手下を脅し宮田の死について聞き出す。思った通り黒崎の指示で宮田を殺したことを知る。
ジョーは式場に接近する。式場の父親はかつて街を仕切るボスだった。死んだあと、その後釜に座ったのが黒崎だ。式場は黒崎の下で使われ、内心黒崎を憎んでいる。ジョーは式場に囁く。
「黒先を葬って、その後釜に座るというのはどうだ。そうなった暁には謝礼として1,000万支払え。そうすれば俺はこの街から出ていく」
式場
ジョーは手始めに、黒崎が仕組んだ競馬賭博を荒らす。大損をする黒崎。黒崎の話に乗っていた健も損をして泣きそうな顔をする。黒崎はジョーを消すように部下に命令する。
ジョーは競馬場のところで健に拳銃を突きつけられて、ある高級アパートへ行く。そこにいたのは黒崎のバーのテルミだった。テルミは黒崎の女ということになっているが、内心は黒崎にうんざりしている。テルミはジョーを誘惑しようとする。
テルミ
ジョーはうまくごまかし、ジョニ赤を手に入れて出ていく。
「これは本物のスコッチだな」
ジョーは式場から聞いた情報をもとに、組が取引に使う5,000万円を強奪する。黒崎には大打撃だ。ジョーは横取りした5,000万円を教会に預ける。
黒崎は幹部会で数々の失敗の責任を取らされ解任されて組を追い出される。後釜に付いた式場だ。式場は黒崎を殺すつもりだ。
黒埼が電話ボックスにいるところジョーが車を横付けする。
「早く乗れ、殺されるぞ」
その直後数発の銃弾が飛んできて電話ボックスのガラスを割る。ジョーは黒崎を自分のねぐらへ連れていく。
ジョーはいう、
「5,000万のはいったバッグの中身は紙屑だった。式田ははじめからお前をだますつもりだった。5,000万円は式田が持っている」
ジョーは数百万を黒崎に渡し、
「仲間を雇って式田を追い出せ。もう一度ボスの座に座れ」
とそそのかす。黒崎は金を持ち、街へと出ていく。ジョーは式場と黒崎を戦わせて自滅させる作戦なのだ。
式場はジョーと黒崎をしとめるために健を雇い入れる。健の作戦に引っ掛かったジョーは式場一味に囚われ、式場の別荘へ連れていかれる。そこでジョーは暴行され、その上手をつぶされそうになる。見かねた健はジョーの加勢をする。大勢を相手にして、健は脚を撃たれ倒れこむ。そこにテルミが車で現れてジョーを乗せて走り出す。健は式場一味に捕まってしまう。
テルミはこのまま一緒に逃げましょう、というがジョーは途中で車をとめさせ、健の救出に向かう。一方、式田たちもジョーが健を助けに来ると考えて手ぐすね引いて待っている。
ジョーは葬儀屋に化けて、ボスからの指示と称して棺桶に健を入れて運び出す。そして、黒崎の一味をバーに乗り込ませる。式田は慌て、両者の撃ち合いが始まる。
そこにジョーが登場する。そして警察に電話をさせ事件は終了となる。街から暴力団は一掃され平和な港町となる。
式場 黒崎
ジョーと健は、相反する立場だが、ジョーがいないと健は仕事にならず、ジョーも健に追われていないと張り合いがない。一種のバディものなのか。
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