監督 ブライアン・デ・パルマ

マイケル・コートランド(クリフ・ロバートソン)

サンドラ・ポルティナリ(ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド)

エリザベス・コートランド(ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド)

ロバート・ラッセル(ジョン・リスゴー)

エイミー・コートランド(ワンダ・ブラックマン)

家政婦ジュディ(シルヴィア・クーンバ・ウィリアムズ)

ブリ―警部(スタンリー・J・レイズ)

1976年/アメリカ

 

お勧め度

★★★☆☆ ~ ★★★★☆

 

『ファントム・オブ・パラダイス』『キャリー』で有名になった

ブライアン・デ・パルマの監督作品。

音楽が『タクシードライバー』のバーナード・ハーマン。

映画は、ヒッチコックの『めまい』の影響が濃厚。

『めまい』の音楽を書いたのもバーナード・ハーマン。

 

 

1959年、結婚10周年を祝うパーティが行われている。ニューオーリンズで不動産業を営むコートランドは新進気鋭の経営者で、集まった人たちは、コートランド夫妻を祝福する。まだ幼い娘のエイミーもパーティに参加し、周りの人を微笑まさせる。

 

マイケル・コートランド 

 

エリザベス・コートランド

 

その晩、夫のマイケルが目を離したすきに妻のエリザベスと娘のエイミーが誘拐される。そして身代金を要求される。

 マイケルの共同経営者で友人のロバートは親身になって心配する。そして事業も継続するように励ます。

刑事のブリーは、身代金には白紙を使い、鞄の中に電波発信機を入れておく。そして誘拐犯のアジトを突き止め逮捕する。誘拐犯というものは、金を手に入れるまでは人質を殺しはしない。自信たっぷりに説明するブリーの作戦をマイケルは飲むことにする。

マイケルは犯人たちにいわれた場所に鞄を置く。

 

 警察は誘拐犯のアジトを突き止めるが、誘拐犯たちは人質を連れて逃走を図る。警察の車が追跡するが、犯人の車両は橋から転落し爆発炎上。マイケルは妻と娘を失うことになる。

 一点気になることがあった。妻と娘の遺体が発見されなかったのだ。しかしマイケルは妻子のために巨大な墓を作る。

 

 

 16年が経った。マイケルはロバートと共に商用でフィレンツを訪れる。マイケルとロバートの事業は順調に発展していたのだ。

 仕事を終わらせ、マイケルはかつてエリザベスと出会った教会へいく。その外観は、マイケルがエリザベスとエイミーのために立てた墓とそっくりだ。

 

教会

 

 教会の中を見て回っているとエリザベスそっくりの女性を見かける。

 

サンドラ

 

 マイケルは驚きを隠せない。女性は絵の修復をしているようだ。

 マイケルは、ロバートを先にアメリカへ帰らせて、彼女に接近する。

 

ロバート

 

 食事の約束を取り付け、別の日にはデートをする。彼女の名はサンドラ。以前はガイド兼通訳を行っていたが今は絵の修復に携わっている。サンドラもマイケルに惹かれていく。

 

サンドラ      マイケル

 

 サンドラは父に捨てられて母親に育てられたという。その母親は入院している。少しして母親が急死する。マイケルはサンドラと結婚することにし、アメリカへ連れて帰る。

 

 ロバートや会社の側近たちはマイケルの急性な動きに普通でないものを感じる。マイケルは会社経営に関心を失い、サンドラと一緒にいることを優先するのだった。

ある夜、マイケルはエリザベスが戻ってきた夢を見る。朝になり目が覚めると、隣に寝ていたはずのサンドラがいなくなっている。そして、16年前と同じ状況が訪れる。「妻を返してほしければ50万ドル用意しろ」と書かれた脅迫文があの部屋のベッドに貼られていたのだ。

 

 マイケルはロバートの家に行き、銀行から50万ドルを引き出すように協力を求める。ロバートは協力する引き換えに会社の経営権を自分一人のものにする。マイケルは会社よりもサンドラのほうが大事なのだ。

 

ロバート

 

 マイケルは現金を入れたアタッシュケースをいわれたとおりに指定の場所に準備する。16年前と同じ場所だ。その後、家に戻る。今回は警察には知らせていない。

 しかし、いくら待っても犯人からの連絡はない。不審に思ったマイケルが金を置いた所へいってみると、アタッシュケースが放置され、中には白紙が入っていることがわかる。

 

 マイケルはロバートを訪ねて、現金が入っていなかったことを告げる。ロバートはマイケルを蔑んだ表示で見つめ、ことの次第を説明する。

マイケルは、16年前の事件も、今回の出来事も、すべてはロバートが仕組んだことだったことを知る。同時にサンドラも共犯だったことを知らされる。会社を乗っ取ることが目的だったのだ。

ロバートともみ合いになったマイケルは彼を殺す。そしてマイケルは、ロバートの銃を手に、サンドラを追い空港へ向かっていった。サンドラはローマへ戻る計画なのだ。

 

ロバート   マイケル

 

 自分のしたことを悔やんだサンドラは、ローマへ向かう機内のトイレで手首を切って自殺を図る。すぐに発見され大過はない。その後、飛行機は機器のトラブルで元の空港へ引き返す。

 実はサンドラはマイケルの娘のエイミーだった。16年前、事故に遭った車に彼女は乗っていなかったのだ。ロバートから母を殺したのは父だと教えられ、父に復讐することを生きる希望としていた。しかし、マイケルと過ごすことによって、そうではなかったことに気が付いた。そして父への愛情を感じていたのだった。

 空港に戻され、車いすに乗ったサンドラの前に、銃を隠し持ったマイケルが現れる。マイケルを見たエイミーは「お父さん、助けに来てくれたのね」といってマイケルに向かって駆けだす。

マイケルは唖然とするが、自身の娘ということがわかりしっかりと抱きしめるのだった。

 

サンドラ(エイミー)