監督 セルジオ・レオーネ

音楽 エンリオ・モリコーネ

善玉(クリント・イーストウッド)

悪玉(リー・ヴァン・クリーフ)

卑劣漢(イーライ・ウォラック)

ウォレス(マリオ・ブレガ)

パブロ・ラミレス神父(ルイジ・ピスティッリ)

北軍大尉(アルド・ジュフレ)

ビル・カーソン/ジャクソン(アントニオ・カサール)

ペドロ(クラウディオ・スカラチリ)

チコ(サンドロ・スカラチリ)

ベイカー(リヴィオ・ロレンゾン)

マリア(ラダ・ラシモフ)

1966年/イタリア、西ドイツ、スペイン、アメリカ

 

セルジオ・レオーネとクリント・イーストウッドが組んだ「ドル箱3部作」、

『荒野の用心棒(1964年)』『夕陽のガンマン(1965年)』に続く3作目。

南北戦争を背景に、3人の男が金貨探しに奔走する。

権謀術数をめぐらし、撃ち合い、裏切り、を反復しながら、

宝に徐々に近づいていく。最後に金貨を手にするのは誰か?

 

お勧め度

★★★★★

 

 

 

 

 <善玉>と<卑劣漢>はコンビで賞金稼ぎの詐欺をしている。懸賞金のかかった<卑劣漢>を捕まえては保安官に突き出し、<善玉>は懸賞金を得る。<卑劣漢>が縛り首になるところを<善玉>はロープを離れた場所から撃ち切って助ける。賞金は山分けだ。

 

<善玉>

 

<卑劣漢>

 

 しぶとい<卑劣漢>の懸賞金が徐々に上がっていく。これを何度も繰り返している。

 <善玉>はあるとき<卑劣漢>を見捨て砂漠に置き去りにする。<卑劣漢>は<善玉>の世話になっておきながら恩を感じていない。<善玉>は愛想が尽きたのだ。<卑劣漢>は恨みを募らせ善玉の命を付け狙う。

 

 <悪玉>は、ビル・カールソンを追っている。そしていう「世の中には2種類の人間がいる。友達のいる奴。俺みたいに、いない奴」

 どこかの墓地に大金が隠されている。それを知っているのがビル・カールソンだ。<悪玉>はその男を探しているのだ。そのためには、人の一人や二人平気で殺す。

 どこかの墓地にその金は埋まっている。墓地には数千の墓がある。墓地の名前と誰の墓かを知らなければ金を得ることは難しい。

 

<悪玉>

 

 <卑劣漢>は<善玉>をうまいこと捕らえる。そして復讐しようとする。自分を捨てた償いをさせるのだ。砂漠の太陽に照り付けられて<善玉>は渇きで死にそうになる。その様子をにやけながら見ている<卑劣漢>は本当にいやらしい男だ。

 

<卑劣漢>      <善玉>

 

そこに南軍の馬車が通りかかる。馬車には瀕死の兵士が乗っており、その兵士こそ<悪玉>が探していたビル・カールソンだった。ビル・カールソンは<善玉>に墓に刻まれた名を告げて死んでいく。

<卑劣漢>は墓地の名前を知っている。しかし、誰の墓かはわからない。その墓の名を知った<善玉>を死なせるわけにはいかない。水を与え、「仲よくしよう」と媚びを売る。

馬車の死体から軍服をはぎ取って<卑劣漢>と<善玉>は南軍の兵士のふりをして馬車を進めていく。そこに北軍の中隊が通りかかり、捕虜とされてしまう。

収容所へ行くとそこには<悪玉>が北軍の士官として潜り込んでいる。<悪玉>は<卑劣漢>を拷問し墓地の名前を吐かせる。

 

<悪玉>

 

<悪玉>は<善玉>を連れて墓地へ向かおうとするが、<善玉>はうまく逃げだし<卑劣漢>と合流する。そして、<悪玉>の仲間たち5,6人を撃ち殺すが<悪玉>は身を隠す。

 

<善玉>と<卑劣漢>は北軍の兵士となり、南軍と戦うことになる。大きな川がある。その両岸で北軍と南軍は対峙している。北軍の大尉は飲んだくれで、戦に嫌気がさしているが<善玉>と<卑劣漢>には親しみを示す。

大尉は川にかかっている橋を爆破したいと思っている。橋など爆破して、このつまらないつばぜりあいを終えたいと考えている。しかし、上からの命令で橋を無傷で奪取することを命じられている。

南軍の砲撃で大尉は瀕死の重傷を負う。<善玉>と<卑劣漢>は大尉のために橋を爆破することにする。橋の向こう岸には、金の埋まった墓地がある。この戦いを終わらせないことには墓場までたどり着けないという自分たちの都合もある。

橋は見事に大破される。その橋が吹き飛ぶ音を聞いて、満足げな微笑みを浮かべて大尉は死んでいく。

 

大尉

 

墓場に到達する。<善玉>は<卑劣漢>に墓を掘らせる。アーチ・スタントンの墓だ。<卑劣漢>がさもしくも必死に土をかき分けると、木の棺桶が出てくる。<卑劣漢>はあさましい風情でそれを開ける。しかし、そこには干からびた死体しか入っていない。憤る<卑劣漢>、にやける<善玉>。

そこに<悪玉>が現れる。三者が墓地の中の円形の広場で撃ち合うことになる。乾いた風が吹く。緊張がうずまく。誰が誰を最初に討つのか。三人は相手の心の内を読もうとする。

 


<善玉>

 

<悪玉>

 

<卑劣漢>

 銃声が響く。倒れたのは<悪玉>だった。<卑劣漢>の銃の弾丸は<善玉>があらかじめ抜いていたのだ。

 <善玉>は<卑劣漢>に銃を向け墓を掘らせる。その墓は、アーチ・スタントンの隣の「Unknown」と書かれた墓だった。

 

 <卑劣漢>が金貨を掘り出した後、<善玉>は<卑劣漢>の首に絞首刑のロープをかけて十字架の上に立たせて、金貨を半分馬に積んで立ち去っていく。<卑劣漢>は<善玉>を呼び、助けを求めるが<善玉>は振り向かない。<卑劣漢>はついにバランスを崩し、首をくくりそうになったその瞬間、遠方から<善玉>がライフルを放ち、ロープを撃ち切る。かつて二人でしていたように。

 <善玉>はにやけ、立ち去り、<卑劣漢>はののしりの声を上げるのだった。

 

 

モリコーネの独特の音楽が印象深い。ストーリーよりも音楽が記憶に残る映画ではないだろうか。イーストウッドのニヒルなにやけ顔がイイ。イーライ・ウォラックのとぼけたようなそれでいて粗野で卑しい立ち振る舞いもイイ。リー・ヴァン・クリーフの非情な表情もイイ。

西部劇の名作の誉れ高い一作。久しぶりに見て、大変面白かったです!

 

<善玉>

 

<卑劣漢>

 

<悪玉>

 

 

続 夕陽のガンマン

 

 

【中古】 続・夕陽のガンマン 特別版/クリント・イーストウッド,セルジオ・レオーネ(監督),アルバート・グリマルディ(製作),エンニオ・モリコーネ(音楽),イーライ・ウォラック,リー・ヴァン・クリーフ