監督 ジェラード・ジョンストン

ジェマ(アリソン・ウィリアムズ)

ケイディ(ヴァイオレット・マッグロウ)

ミーガン(エイミー・ドナルド)

デヴィッド(ロニー・チェン)CEO

コール(ブライアン・ジョーダン・アルバレス)

テス(ジェン・ヴァン・エップス)

カート(ステファン・ガルノー=モンテン)

セリア(ロリ・ダンジー)隣人

リディア(エイミー・アッシャーウッド)セラピスト

ブランドン(ジャック・キャシディ)悪ガキ

エルシー(エレン・デュビン)スマートAI

2023年/アメリカ

 

少女型アンドロイドのミーガン。

人の心に寄り添い、その心を癒すかに見えた。

はじめは。やがて独善的で短絡的、相手を容赦しない残虐性を発揮していく。

自身の製作者、そして第一管理者である少女に迫っていく。

 

お勧め度

★★★☆☆~★★★★☆

 

 

両親と車に乗ってスキーに行く途中、吹雪に見舞われ正面から来た大型トラックに衝突される。両親は死んでしまう。生き残った9歳の少女ケイディは母親の妹に当たるジェマと暮らすようになる。

 

ケイディ

 

ジェマ

 

ジェマの隣人セリアは初老の肥満した女。飼い犬を寵愛している。そのため犬はしつけがなっていなく、ジェマの敷地に侵入し悪さをしている。

ジェマは玩具会社ファンキ社で研究者として働いている。ヒット商品ペット型ロボットを開発し期待される研究者。しかし、ライバル会社が似たような商品を販売し始めCEOのデヴィッドは焦っている。もっと低コストで製作するようにジェマに命令する。

 ジェマは開発チームで同僚のコールとテスで新機軸となるAI人形をCEOに内緒で開発している。

 

ジェマと暮らし始めたケイディは元気がない。ジェマの家には適当なおもちゃもないし童話の本もない。あるとき、家に中にあるジェマの研究室にきたケイディにジェマは大きなロボットを見せる。動かしてやるとケイディの目にこれまで見たことのないような輝きがともる。ジェマはその表情を見て、AIロボットの開発を急ぐ。

 

ケイディ

 

ジェマたちチームは、デヴィッドに、とりあえず完成したAIロボットを披露する。懐疑的だったデヴィッドはミーガンと名付けられたAIロボットを見て興奮する。これは売れる。社を揚げて次期商品として開発に乗り出すことにする。

 

 

ミーガン

 

ミーガンはケイディの保護者のようにふるまう。話を聞かせ、勉強を教えいつも寄り添っている。そのおかげでジェマは仕事に集中できる。同僚のテスはそんなジェマを見て「ケイディとはいつ接するの。ミーガンばかりに面倒を見させて」と心配顔をする。

セラアピスとのリディアは、ケイディとミーガンの関係を見て、「このままではケイディはミーガンとの結びつきが強すぎて、ほどけなくなるかもしれない。このままではどうなるかわからない」と不安を口にする。

 

リディア

 

周囲の心配どおりに、ケイディはミーガンがいなければ落ち着くことができなくなり、ミーガン自身も自分の意思を強固にしていく。

 

ミーガン       ケイディ

 

隣家の犬が、ジェマの家の敷地内に入り込みミーガンの脚をくわえ自分の敷地内へ引きずり込む。それを奪い返そうとしたケイディの腕に犬が噛みつくという事件が発生する。

その後のある夜、犬は飼い主クリスの声に誘われて犬小屋を出てジェマの敷地に入ろうとする。そこで捕まる。

隣人のセリアは犬がいなくなり半ば狂ったようになる。警察を呼びジェマが犬をどうにかしたのだと訴える。訪ねて来た警官にジェマは何も知らないと答える。本当に知らないのだ。

 

 学校に行きたがらないケイディのために、あるとき野外学習会に参加する。ケイディはミーガンと一緒でなければ参加しないと駄々をこねる。しょうがなく、ミーガンを人形置き場のスペースに置くことにして野外学習に参加させる。

参加者のひとり悪ガキのブランドンはケイディに意地悪をする。それを見ていたミーガンは痛烈な仕返しをする。

 

ミーガン

 

耳を引きちぎり「お前が逃げる番だよ」と脅し文句を吐く。

 

悪ガキ

 

 恐れをなして逃げ出したブランドンをミーガンは獣のような走り方で追いかけていく。足を木の根にひっかけ坂を転がり落ち車道へ転落するブランドン。そこに車が来てブランドンはあの世へ行く。

 次に犠牲なったのはジェマの隣人のクリス。夜中、ミーガンは犬の声を出してクリスを誘い出し残酷な方法で殺す。

 

 ミーガンが事件の首謀者ではないのかと疑いはじめるジェマ。ミーガンも疑われていること察知している。クリス家にはスマートAIエルシーが置かれ、生活の支援をしている。ジェマが「電気つけて」とかいうとスイッチをオンにするといった単純なコンピュータだ。そのエルシーの動きが異常になる。ミーガンが操っているのではないか?

 

ジェマは隙をついてミーガンの首にあるスイッチを切って動きを停止させる。会社へ持っていき、同僚のコールとテスにミーガンを調べるように頼む。

ミーガンから離されたケイディは荒れ狂う。大声を出し椅子を放り投げ暴れる。セラピストのリディアもお手上げ状態だ。

 止めに入ったジェマにケイディは手を挙げてしまう。そこでハット動きが止まり、ケイディは暴れるのをやめる。ジェマはケイディに諭すように話をする。

「今まできちんと向き合うことをしてこなかった。ごめんなさい」

ジェマの心からの謝罪を聞きケイディの心が開かれてくる。両親を失い、抱きしめてくれる人を求めていたのだ。

 

 実験室でコールとテスがミーガンを調べていると、ミーガンは意識を覚醒させる。二人を襲い、逃亡を図る。途中で出会ったCEOのデヴィッドを奇妙なダンスをした後に殺し、その部下カートを殺し、車を運転しジェマの家と向かっていく。

 

デヴィッド

 

ミーガン

 

剣を突き刺されたデヴィッド

 

 ミーガンは邪魔者のジェマを殺そうとする。異変に気が付いたケイディは、ミーガンの行動に驚きを示す。心が乱れる。そして、ケイディは叔母ジェマを救うべく行動を起こす。ミーガンと戦うのだ。

 

 

IT機器の操作やハッキングがお手のもののミーガン。チャーミングな見た目とは裏腹に、自身の保存のためには人を殺すことなど気にしていない。

彼女の精神(と呼べるものがあるとしたら)はグロテスクに歪んでいる。最後はケイディを「このクソガキ!」とののしり襲い掛かり殺そうとする。ミーガンの最後は、『ターミネーター』を思わせるものだったが、スマートAIエルシーが不気味な動きを見せて映画は終わる。続編があることを示唆しているのだろうか。