監督 ロバート・シオドマク

スウィード(バート・ランカスター)

キティ(エヴァ・ガードナー)

リアドン(エドモンド・オブライエン)

コルファクス(アルバート・デッカー)暗黒街のボス

ルビンスキー(サム・レヴェン)刑事

リリー(ヴァージニア・クリスティーン) 刑事の妻

ダムダム(ジャック・ランバート)

チャールストン(ヴィンス・バーネット) ルビンスキーの顔見知り、

マックス(ウィリアム・コンラッド) 殺し屋。

アル(チャールズ・マッグロー) 殺し屋。

1946年/アメリカ

 

 ヘミングウェイの初期の短編が原作。フランスにいたころに書いたものらしい。フィルムノワールの態をなしており、保険会社の捜査員が語り部となっている。

 バート・ランカスターの映画初出演作でエヴァ・ガードナーの出世作でもあるらしい。

 

お勧め度

★★★★☆

 

 

 ある夜、田舎町ブレントウッドのレストランにトレンチを着た男2人がやってくる。

 

 

「スウィードを殺しに来た」店の主人にそう告げる。スウィードがよく来る店なのだ。スウィードはガソリンスタンドで働いている。1年ほど前に町にやってきた男だ。

 

2人の殺し屋と店の主人

 

しかし、その晩スウィードは店に来ない。

 2人組の男はスウィードの下宿を調べ乗り込む。そして殺害する。スウィードには殺されることがわかっていたようだ。

 

 地元の警察は事件に無関心だ。肥満した署長は、スウィードはよそ者で、犯人の男も逃亡し、もう街にはいない。後は州警察に任せておけばよい、などという。しかし。保険会社の調査員リアドンは興味を示し、スウィードについて調べ始める。スウィードが同僚ニックにいった「昔、悪さをしたことがある」という言葉が引っ掛かったのだ。

リアドンは、粘り強い調査でスウィードの過去を洗い出していく。

 

リアドン

 

 スウィードはかつて有望なボクサーであったが、拳の怪我のためにボクシングから離れざるを得なくなる。友人で刑事をしていたルビンスキーは、スウィードに「警察官になれ」と勧めるがスウィードはその気になれない。その後スウィードは悪い連中と付き合い始める。当時、恋人だったリリーはそれを機に離れていく。

 ギャンググループのボス コルファクスにはキティという情婦がいて、スウィードはその女に惹きつけられる。キティをかばうために、宝石店の強盗に入ったと嘘をつき刑務所暮らしをしたこともある。

 

キティ

 

 刑務所で老囚人チャールストンと知り合う。互いに気を許す仲になる。チャールストンはキティの話を聞くと「女には気をつけろ」と忠告する。

 

チャールストン

 

 出所後、スウィードはコルファクスに「大きな仕事」があると呼び出される。その場所へ行くと、コルファクスの他チャールストン、ダムダムの他キティもいる。キティは行方不明になっていると聞いていたのでスウィードは驚く。

 

スウィード

 

 仕事とは、帽子工場の従業員の給与を盗むというものだった。大金だ。金額が大きすぎると老いたチャールストンは辞退する。そしてスウィードに「女のことはあきらめろ、厄介のもとだ」と忠告し立ち去る。

 

 帽子工場の強奪はうまくいった。ばらばらに逃げた後、約束の場所に集合することになっていた。しかし、スウィードにはその場所が知らされていなかった。

 スウィードはコルファクスたちにだまされていることをキティの口から知ることになる。その金を独り占めにしてキティと二人で逃げ出す計画を立てる。

 

スウィード     キティ

 

 スウィードはコルファクスたちの隙をついて金をすべて持ち逃げした。その後スウィードはキティと一緒に逃亡しホテルに投宿する。しかし、キティはスウィードの隙をついて、金をもって1人でどこかへ行ってしまった。

その後、失意のスウィードは田舎町ブレントウッドへ流れていき、スタンドで働くようになった。そして殺し屋に殺害される。

 

スウィード 

 

 キティはどうなったのか? それがこの映画の見どころとなる。性悪女は最後まで性悪だった。

 

キティ