監督 モーリー・スリヤ

マルリナ(マーシャ・ティモシー)

ノヴィ(パネンドラ・ララサティ)

マルクス(エギ・フェドリー)

フランツ(ヨガ・プラタマ)

2017年/インドネシア・フランス・マレーシア・タイ

 

若くして夫を亡くし、

インドネシアのひなびた村で

1人静かに暮らすマルリナ

 

あるとき7人の男たちが訪ねてくる。

マルリナは金と家畜を奪おうとする男たちに

毒入りの鶏のスープを振る舞い、

男たちは次々と倒れていくが、

しかし、別室で寝ていた首領のマルクスに襲われてしまう。

マルリナは逆襲にでて、

男の首に剣ナタを振り下ろし斬首する。

自らの正当性を証明するため、

落とした男の首を持って

はるか遠く離れた町にある警察署に向かうが……。

 

お勧め度

★★★★☆

 

 

 

第1幕 強盗団

トパン、という名が書かれた墓石が家の前に立っている。

田舎にぽつんと立つ貧しい家。

豚や鶏を飼っている。

 

 

マルリナ

 

最初にやってきたのはバイクに乗った男、マルクス。

家に入り、マルリナにコーヒーを要求する。

トパンとは誰だ、とマルリナに聞くがマルリナは答えない。

といって答えない。

 

マルクス      マルリナ

 

マルクスは考える。

トパンとはマルリナの死んだ亭主で、

マルリナは一人暮らしの未亡人なのだ。

 

マルクスはいう。

仲間がやってくる。

お前の金と家畜が目当てだ。

時間があったら7人でお前を犯す。

仲間が来るまでに飯の用意をしろ。

 

 

日が落ちて来て男たちが6人やってくる。

家畜を見て売ったらいくらになるなどと話し

トラックに積み込み始める。

 

マルキナはマルクスに言われた鶏のスープを作っている。

隙を見て毒を混ぜる。

何かの樹の実をすりつぶしてスープに入れる。

 

料理を食べた男たちは、次々に倒れていく。

 

 

別室にいたマルクスは気がつかない。

マルキナは、食事をもってマルクスの部屋に行くが、

ベッドのうえで犯される。

マルクスが果てたとき、

大きな鉈でマルクスの首をはね落とす。

 

 

第2幕 旅

翌朝、マルリナはマルクスの生首を手に提げて家を出る。

警察署へ行くつもりなのだ。

 

 

 

田舎道を歩いていると、妊婦のノヴィにであう。

ノヴィは夫に会いに隣村へ出かけるという。

夫は、女房が臨月になっても帰ってこないのだ。

 

マルリナ       ノヴィ

 

トラックのようなバスが来る。

客は荷台に乗っている。

マルリナをみて、運転手は乗車を拒否するが、

マルリナは鉈で運転手を脅し助手席に乗り込む。

他の乗客は巻き込まれたくないと

降りてしまうが、

ノヴィだけは平然と荷台に乗り込む。

マルリナを知っているので怖くないのだ。

 

バスの運転手       マルリナ

 

途中、年配の女性と青年、そして馬2頭を乗せることになる。

背念は女性の甥っ子だ。

馬が甥っ子の結納金なのだ。

この馬を届けないと嫁が逃げてしまうといい、

運転手が止めるのも聞かずに

甥っ子と一緒に乗り込んできたのだ。

 

女性と青年は、

マルリナが持っている生首を見ても

ひるまない。

 

 

甥っ子が、

「なぜそんなものを持っている?」

と聞くと、マルリナは

「私の捕虜よ」

と答える。

 

 

反対方面からトラックがやってくる。

昨夜来た盗賊の一味だ。

フランツともう一人の若い長髪の男が、

盗んだ家畜を売りに行った帰りなのだ。

(それで毒入りスープを飲まずに済んだ)

マルリナは素早く身を隠し二人の目から逃れる。

 

一味の男二人はマルリナの家に到着し、惨状を目撃し

怒りに狂い、マルリナを探すためもと来た道を戻っていく。

 

バスの一行は一旦停止し、トイレタイムを取っている。

マルリナとノヴィは離れたところで用を足していたが、

そこに一味の2人がやってくる。

ノヴィが機転をきかし、一人でバスに戻り

2人をだまし、バスを出発させる。

バスがいったことを確認し、

マルリナは、バスから降ろされていた馬に乗り道を進んでいく。

 

 

第3幕 自首

小さな集落にたどり着く。

子供たちがサッカーボールで遊んでいる。

 

食堂を営む家の女の子に勧誘され店に入る。

商売上手な子だ。

名を聞くと、その子は「トパン」と答える。

マルリナの死んだ子の名もトパン、

男の子だった。

 

食事ののち、近くの警察署へ行く。

のんびりとした署内。

署員が卓球をして遊んでいる。

マルリナが話をしても、

聞き取り官にはやる気が見られない。

現場検証が必要だが、

最初に強姦されたことを証明しなければならない

などといい話が前に進まない。

 

 

諦めたマルリナは署を出て食堂に戻る。

涙が出てくる。

それを食堂の女子が慰める。

 

第4幕 出産

バスの一行は、盗賊に運転手が殺されて、

仲間の長髪の男がその死体を埋めるために

離れた場所で穴を掘っている。

フランツが油断したすきに、

甥っ子が攻撃を加え、ねじ伏せる。

ノヴィと叔母、甥っ子の3人は

バスに乗り込んで逃亡を図る。

運転をするのは甥っ子だ。

 

それに気が付いた穴を掘っていた長髪は、

フランツをなじり、殴りつけ、

家畜を売った金を独り占めにして、

逃げていく。

 

ノヴィは旦那に会うことができるが、

旦那は冷たくラヴィを扱い、

子供が予定日を1か月も過ぎているのに

生まれないことをなじりバイクに乗って去っていく。

ノヴィは棄てられたも同然だ。

 

そこに現れたのがフランツ。

待ち伏せをしていたのだ。

フランツはノヴィを使い

マルリナに電話をかけさせて

家に戻るように仕向ける。

 

マルリナ、ノヴィ、盗賊のフランツの3人が家に集う。

狭い部屋に盗賊たちの死体が詰め込まれている。

フランツはノヴィに何かつくれという。

何がいいか聞くと

「スープ」とぶっきらぼうに答える。

 

ノヴィが湯を沸かしていると、

寝室からマルリナの悲鳴が聞こえてくる。

ノヴィは鉈をもって部屋に入り、フランツの首をはねる。

 

ノヴィ

 

そしてノヴィに陣痛が起こり、赤ん坊が生まれる。

 

翌朝ふたりは赤ん坊と一緒に家を出る。

新しい人生の始まりである。

 

 

不思議なテンポで話が進んでいく。

インドネシアの片田舎。

時間の進み方が違うのか。