監督 ジョン・ムーア

ロバート・ソーン(リーヴ・シュレイバー)

ダミアン・ソーン(シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック)

キャサリン・ソーン(ジュリア・スタイルズ)

キース・ジェニングス(デヴィッド・シューリス)

ブーゲンハーゲン(マイケル・ガンボン)

ブレナン神父(ピート・ポスルスウェイト)

ベイロック夫人(ミア・ファロー)

2006年/アメリカ

 

お勧め度

★★★☆☆

 

 

2001年、バチカン天文台。

不吉な彗星を観測する。

聖書に照らすと

滅亡の危機が迫っていると議論になる。

 

イタリア、ローマ。

6月6日午前6時、

アメリカの外交官ロバート・ソーンは、

妻キャサリンが死産したことを知らされる。

 

病院へ着くとキャサリンは麻酔で眠っており、

まだそのことを知らない。

ロバートは妻に

事実を告げることができないと思案する。

そこにスピレット神父が現れて、

ロバートを慰め、

ちょうど同じ時刻に生まれた赤ん坊がいる。

その子の母親は死んでしまった。

私はその母親をよく知っている。

他に身寄りのいない子だ。

その子を引き取って、

実子として育ててはどうか、

と提案してくる。

「神もこの嘘を許してくださいますよ」

ロバートは、妻には教えずに、

もらい子を実子として育てることにする。

スピレット神父は面妖な微笑みを浮かべる。

 

 

息子はダミアンと名付けられて大事に育てられる。

 

ダミアンが3歳に時に、

ロバートの上司スティーブンがイギリスの大使に選ばれ

副大使としてロバートもロンドンへ行くことになる。

ロバートもキャサリンもロンドンへの赴任を喜ぶ。

 

ところが、スティーブンは赴任する直前に、

悲惨な事故に遭い死亡する。

乗っていた車が、

火まみれになって死んでしまうのだ。

(意図された死のように感じる)

 

ロバートはスティーブンに代わり

イギリス大使としてロンドンに赴任することになる。

 

2年後。

ダミアンの5歳の誕生日のパーティーを大使館で

盛大に行う。

 

乳母   キャサリン   ロバート  ダミアン

 

多くの人が集まり、

にぎやかで親和的な雰囲気だ。

そんな中、ダミアンの乳母の若い女性が、

離れたところにいる黒い犬を見つける。

犬と乳母はしばし見つめ合う。

 

乳母

 

悪魔の下部

 

その少し後、乳母は大使館の屋上から

「ダミアン!あなたのためにこうするのよ!」

と叫び飛び降りる。

首にかけたロープが食い込み乳母は縊死する。

 

乳母

 

 

ロバートは驚きダミアンを抱き上げる。

ダミアンは抱かれたロバートの背から

黒い犬を見つめてひそかに

手を振るのだった。

 

 

ダミアン

 

取材の記者たちが殺到するなか

ロバートはフリー記者のキースとぶつかり

キースのカメラレンズを壊してしまう。

ロバートは「請求書を送ってほしい」というが

キースは「これは貸しにしておきます」

と無難な対応をする。

 

キース

 

ブレナン神父がローマから

ロンドンのロバートを訪ねてくる。

 

ブレナン神父     ロバート

 

ブレナン神父

 

「残された時間はあまりありません。

イエスキリストを受け入れなければなりません。

主をあなたの中に受け入れなければ

悪魔の子を倒すことはできません。

あなたはあの夜、

悪魔の子を引き取った。

あの子はまた人を殺す」

ロバートは、憤慨しつつも冷静さを保ち

立ち去ろうとする。

しかし神父は続けていう。

「私はあの病院にいたのです。

私は見たのです。

あれを生んだ母親は、

ジャッカルです!」

 

ロバートは聞くに堪えず警備を呼んで

ブレナン神父を館外へ追い出す。

そのとき、その様子をジャーナリストの

キースは撮影していた。

 

新たな乳母に就いたのはベテランのベイロック夫人だった。

ロバートとキャサリンはベイロック夫人の立ち振る舞いに

信頼を寄せる。

 

ベイロック夫人

 

ベイロック夫人はダミアンと二人きりの時に囁く。

「私はあなたの味方よ。安心して」

 

ベイロック夫人

 

ロバートとキャサリンは

ダミアンを教会に連れて行こうとすると

ベイロック夫人は反対する。

キャサリンはそれを制して、

つれて行こうとする。

しかしダミアンは、教会へ行く途中

車の中で

異常ともいえる抵抗を示す。

教会の尖塔が見えると暴れ出し

キャサリンに怪我を負わせる。

 

結局、教会行きを断念して家にもどる。

キャサリンはダニエルが普通でないことを確信する。

うすうす感じていたことだった。

自分の子でないような気がする。

それをロバートにいうが

ロバートは相手にしない。

 

いつの間にか、ベイロック夫人は

黒い犬を屋敷に入れ飼っている。

「いい番犬になる。

ダミアンにも懐いている」

ベイロック夫人はいう。

 

あるときキャサリンは友人たちと

お互いに子を連れて動物園に行く。

動物たちは、ダミアンを見て威嚇し、怯える。

 

 

 

その晩、キャサリンはロバートに

「やはりダミアンは普通ではない。

自分の子のような気がしない」

と訴える。

キャサリンは

自分がおかしくなってしまったのではないかと思い、

精神科へ行きたいとロバートにいうのだった。

 

再びブレナン神父がやってくる。

待ち合わせ場所を告げて、

「来ないと奥さんは死ぬことになる」

といって立ち去る。

 

ロバートは待ち合わせの場所へ行く。

激しい雨が降っている。

ブレナン神父は、

「ダミアンは、キャサリンを殺し

いずれあなたも殺す。

あなたの権力をすべて奪ったのちに」

という。

ロバートは怒り

「二度とあなたの顔は見たくない」

神父はあきらめたように

「では、地獄で会いましょう」

といって立ち去る。

 

ロバート     ブレナン神父

 

その後神父は、

立ち寄った教会のところで、

雷に打たれて落ちてきた鉄杭

に体を突き抜かれて死んでしまう。

 

 

ロバートは秘書からブレナン神父が

鉄杭で串刺しになって死んだことを聞かされ

ショックを受ける。

 

キャサリンが妊娠していることが判明する。

ロバートは、キャサリンのかかりつけの医師から

「キャサリンはダミアンが自分の子でないと思い込んでいる」

と告げられる。

医師は中絶を進めるがロバートは生んでほしいと思っている。

 

屋敷内でキャサリンが、花鉢に水をやっているところに

ダミアンがぶつかり、2階から1階に転落する。

キャサリン

キャサリン

 

腹の子供は死んでしまう。

キャサリンは骨折を負い入院する。

見舞いに来たロバートにキャサリンはいう。

「あの子に私を殺させないで」

 

キャサリン

 

ジャーナリストのキースが、

ロバートに接触を図る。

キースが撮った写真に、不気味な影が映っている。

最初に縊死した乳母の写真には、

首に何かがまとわりついている映像が浮かんでいる。

 

鉄杭に刺されて死んだ神父の写真には、

鋭い閃光が体を貫くように映っている。

そして、キース自身の写真には、

首を横切る光が映りこんでいる。

 

ロバートはキースと組んで、

写真の謎、ダミアンの出生について

捜査を開始する。

それでもロバートは、

ダミアンが悪魔の子でないことを願っている。

 

捜査に赴いた地で、ロバートは

キャサリンが病院で死んだことを知らされる。

乳母のベイロック夫人の仕業だった。

しかしそのことは誰も知らない。

 

ロバートは真実と向き合う心つもりとなる。

ダミアンは悪魔の子なのか?

 

ダミアン

 

墓にはジャッカルの死体。

隣の墓には、頭蓋骨に大きな穴の開いた

赤ん坊の死体…。

ローマでの死産は

殺されていたことを知る。

 

 

 

不気味な音楽が印象的だった

1976年に製作された『オーメン』のリメイク。

公開当時、劇場で見たことしかないので

記憶があいまいだが、

ほとんどそのままなぞっている感じのリメイクだ。

死に方が若干違うが、

さして目新しいこともない。

次作は作られるのだろうか。

本作を見てオリジナルも見直してみたい気になった。

 

しかし、ミア・ファローの妖演は

ぞくぞくした。

拾い物だった。