監督 藤田敏八

原田芳雄(ピラニア)

藤竜也(マッポ)

梶芽衣子(振り子)

夏夕介(ガッペ)

鈴木利哉(マー坊)

常田富士男(ネクロ)

地井武男(隆明)

范文雀(あや子)

安岡力也(ヘイス)

郷鍈治(総統)

堺正章(マサアキ)

ザ・モップス(モップス)

1971年/日本

 

1971年ころは新宿にも空き地があって

草がぼうぼう生えていたのか。

ベルボトムのジーンズをはいた若者たちが

青春を無軌道に謳歌している。

ベトナム戦争、ヒッピー、暴走族…。

 

お勧め度

★★★☆☆

 

 

新宿で男と男女7,8人で暮らしている集団がいる。

公園で野宿をしたり、歯医者のバスの中で寝たりしている。

小さな男の子(マー坊)がいて、誰が父親かわからないが

メンバーのひとりネクロが主に父親役をし、

他のメンバーも面倒を見ている。

ファミリーの子供なのだ。

 

梶芽衣子         原田芳雄 

 

常田富士男

 

原田芳雄                                      藤竜也  

 

メンバーの隆明が振り子と2人でデートを楽しんでいた時、

暴走族に襲われる。

暴走族の総統は、鋭い目つきをした男だった。

 

郷鍈治

 

隆明は殴られ、蹴られして、

悪戦している。

ついに隠しもったナイフを出して

族のひとりを刺し殺してしまう。

(殺されたのは長髪の安岡力也だ!)

 

安岡力也

 

しかし、結局は乗用車に乗せられて連れ去られる。

 

実は隆明の父親は、

地方の町で町長をしている政治家だった。

跡継ぎになる隆明を連れ戻すのに、

配下にある暴走族を使ったのだ。

 

振り子は隆明の身代わりとなって、

殺人容疑者として捕らえられ

鑑別所に入っている。

しかし脱走する。

一緒に妹を連れて。

(なんという姉妹なのか? 

妹はかわいい顔をして

何をしでかしたのか?)

 

左:梶芽衣子

 

妹は新宿のピッピー集団に合流し、

振り子は隆明の実家へ向かう。

 

地井武男

 

しかし振り子は、

父親の取り巻きの集団に捕らえられてしまう。

父親は、本当の殺人犯は自分の息子

ということを知っている。

それを知っている振り子は、

いずれ始末しようと考えている。

 

范文雀                             梶芽衣子

 

ヒッピー集団は、振り子を救うために隆明の実家へと向かう。

しかし相手は町長と警察隊、

そして街の猟友会のメンバーだ。

暴走族もいる。

窮地に追い込まれたヒッピーグループは、

捨て身の作戦に出る。

 

 

古い映画とはいえ、出演陣が豪華。

原田芳雄、藤竜也、梶芽衣子、地井武男、范文雀、郷鍈治。

変わったところでは、常田富士男

この人は私の中では得体のしれない

怪芸人というイメージがある。

若いころは奇妙な歌詞の歌を歌っている。

 

渋いところでは、郷鍈治。

宍戸錠の弟だが、脇が多かった。

凶悪な表情でやくざ物によく出ていた。

『仮面ライダーV3』のキバ男爵はよく覚えている。

彼は、少年物のアンチヒーローを目指せば

もっとメジャーな人気者になれたのではないだろうか。

彼のいかにもという立ち振る舞いは、

デフォルメされた悪役が良く似合う。

 

郷鍈治

 

監督は、名匠といってもいいだろう、藤田敏八。

村野 武範の

『八月の濡れた砂(1971年)』

 

桃井かおりの

『エロスは甘き香り(1973年)』

 

秋吉久美子の『赤ちょうちん(1974年)』、

『妹(1974年)』、『バージンブルース(1974年)』

 

永島敏行の『帰らざる日々(1978年)』

『十八歳、海へ(1979年)』

 

山口百恵と三浦友和の

『天使を誘惑(1979年)』

 

浅野温子、古尾谷雅人の

『スローなブギにしてくれ(1981年)』

 

田中美佐子の

『ダイアモンドは傷つかない(1982年)』

等を監督している。

 

暴走族役の安岡力也はすぐ死んでしまうが、

生き生きとしたアクションを嬉々として演じ

地井武男を痛めつけている。

 

地井武男といえば、実家が千葉県の八日市場にあって、

家は果物屋であった。一時近くに住んでいて

地元の人から教えてもらった。

「あそこが地井武男の実家だよ」

小さな店舗で、置かれているのは

ほとんどがバナナであった。

 

中央:地井武男

 

バナナといえば、私の祖母はバナナが好きで

「これは南の国から来たんだね」といいながら

食べていた。

異国情緒を味わっていたのだろうか。

昭和一桁生まれの父が

「子供の頃は、バナナなんて

運動会か熱を出したときにしか食べられなかった」

といっていた。

戦前は貴重品だったようだ。

明治生まれの祖母にしてみれば、

バナナは南国の貴重な熱帯果実だったのだろう。

 

この映画では、内容はともかく

有名な俳優・女優の若い頃を見ることができ

楽しかった。

70年代の雰囲気って、こんな風だったのだなあ

それから、堺正章と鈴木ヒロミツの

長髪姿を見ることもできた。

サービスショットといったところか。

 

 

 

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