監督 鈴木清順

水野錠次:ジョー(宍戸錠)

竹下久美子(渡辺美佐子)

野本秀夫(川地民夫)

野本幸夫(小林昭二)

小野寺信介(信欣三)

小沢惣一(金子信雄)

三波五郎(江角英明)

広川刑事(鈴木瑞穂)

武智茂(郷鍈治)

1963年/日本

お勧め度

★★★☆☆

 

 

大藪春彦の小説『人狩り』が原作。

宍戸錠の実弟郷鍈治が組幹部として出演している。

郷鍈治の顔がふと見たくなり、鑑賞してみた。

 

 

彼を知ったのは高校生の頃に見にいった

『化石の荒野』であった。

その後『仮面ライダーV3』の

キバ男爵の俳優だったことを知った。

本作『野獣の青春』には同じ仮面ライダーシリーズで

「おやじさん」として親しまれた小林昭二が

冷酷な変態親分として出演している。

 

 

東京の連れ込み宿やまとホテルで

男女が死んでいるところを発見された。

心中とみられた。刑事が死体を検分しだすとその顔が

凍りつく。

死んだ男は竹下公一という現職の刑事だったのだ。

 

そんな事件のあと、

街に、無口で喧嘩の強い男がぶらりと現れる。

路上でチンピラを殴り倒し、

パチンコ屋でもチンピラを張り倒し、

キャバレーではナンバー1の女を指名する。

表情がなく、しゃべらないので

何を考えているのか知れない。

 

ジョー

 

男が叩きのめしたのは野本興行の若いものらしい。

男の名は水野錠次(ジョー)。

野本興業の社長は

ジョーの腕と度胸を見込み雇入れることになる。

街には敵対する三光組がいる。

 

三光組幹部 武智茂

 

ジョーは三光組にとも取引を始める。

二つの組を対立させ、

うまく立ち回って両方から金を手にしている。

 

実はジョーには目的があったのだ。

ジョーは元刑事で、刑事時代に、

連れ込み宿で死んでいた竹下に

ずいぶんと世話になったのだ。

しかし、ヤクザの罠に引っ掛かり、

公金横領、恐喝などの罪で逮捕され、

刑務所で暮らしていた。

竹下が女にはまり込んで

心中するわけなどないと思っている。

仕事で裏をかかれて、

何らかの方法で殺されたと考えている。

そこで手掛かりを探るために

組にしのびこんでいるのだ。

 

竹下の四十九日に竹下の家を訪ねる。

未亡人の 久美子がジョーを迎える。

 

久美子

 

仏壇とは別室に、警察の仲間が来ているが、

ジョーは顔を会わせないようにして

線香をあげる。

 

あるとき、ジョーが自分のアパートに戻り、

シャワーを浴びて出てくると、

野本興業の社長夫人がいる。

 

 

「第6夫人を殺してほしい」

といいだす。

第6夫人はコールガール事業の元締めをしていて

誰も顔を見たことがないらしい。

(いきなりなんだ? 見ている者はそう思う)

ジョーは野本興業のコールガール事業に接近していく。

 

その中で登場するのはおかま風の秀夫だ。

社長の弟だ。母親が黒んぼ専門のパンパンだったらしい。

それをいうと怒りだし、

ナイフで相手の顔をズタズタにする。

 

社長の野本幸夫もまともではない。

ナイフ使いなのはいいとしても

妻をベルトで痛めつけているうちに興奮してきて

傷ついた妻を抱きしめて愛をかわす。

こういうのが好きなのだ。

 

 

野本幸夫

 

ジョーは二つの組の対立をあおりながら、

刑事竹下の死の真実に近づいていく。

そして分かった事実とは?

 

 

いかつい顔立ちの郷鍈治を見られて少し満足。

兄弟で共演するっていいね。

 

(郷鍈治)   (宍戸錠)

 

キバ男爵