監督 デニス・ホッパー

カンザス(デニス・ホッパー)

マリア(ステラ・ガルシア)

ミセス・アンダーソン(ジュリー・アダムス)

ネヴィル(ドン・ゴードン)

牧師(トーマス・ミリアン)

映画監督(サムエル・フラー)

ピーター・フォンダ

クリス・クリストファーソン

1971年/アメリカ

 

お勧め度

★★☆☆☆

 

スタントマンのカンザスは

ペルーに映画撮影に来る。

村人たちは初めて見る映画の撮影に興味を示す。

カンザスは撮影後も現地にとどまり

ペルー人の女マリアと暮らし始める。

 

村人たちは映画の撮影の真似をし始める。

ガラクタで作ったカメラ、

架空の撮影道具を使っている。

道具は偽物だが、

演技は本物だ。

本気に殴り合い、死者も出る。

やがて、カンザスは

その撮影に巻き込まれていく。


 

西部劇の撮影。ビリー・ザ・キッドの話。

スタントで死ぬものも出る。

しかし、スタッフは夜な夜な狂騒し、

昼間は渾沌とした状況の中撮影を続けていく。

 

 

撮影後、アメリカのスタッフやキャストは引き上げていく。

「ハリウッドで会おう」

監督はいい残す。

 

その後、現地のスタッフは撮影の真似をし始める。

撮影機器はガラクタを集めて作り出したもの。

撮影「ごっこ」の世界だ。

しかし、アクションシーンで本気で殴り合っている。

「本物の映画」を演じているのだ。

牧師はその様子を見て

「映画の撮影が暴力をもたらした」

といって恐怖している。

 

牧師

 

現地に残っていたカンザスは、

牧師に乞われて「撮影現場」へいき

アクションの仕方を教えるが

監督役をしている現地人は

「リアルでない」といって

本気で殴り合うことをやめようとしない。

 

カンザスはマリアと暮らしている。

 

マリア

 

田園の素朴な生活をカンザスは気に入る。

しかしマリアはアメリカ製の冷蔵庫を望んだり

美容院へ行って髪を整えたりすることに

喜びを見出していく。

 

カンザス

 

そのうちカンザスは

現地のアメリカ人たちと交流を持つようになる。

それをマリアは好まない。

 

アメリカ人の事業家たち

 

仲介したのは、金の鉱山を所有しているというネヴィルだ。

 

ネルヴィル

 

メンバーの中にミセス・アンダーソンがいる。

彼女は有閑マダムだ。

カンザスとミセス・アンダーソンは

距離を縮めていく。

 

ミセス・アンダーソン    カンザス

 

カンザスはミセス・アンダーソンとの関係を続けていく。

そんな中、

ネヴィルの誘いに乗って

金山の開発を手掛けようとするが

資金が足りなくうまくいかない。

 

カンザスは地元民の映画の撮影に出演する。

戸惑っているようにも見える。

馬で逃亡を図るも撃たれてしまう。

 

 

マリアのもとに逃げ帰り、

一命をとどめる。

いや、撮影は続いている。

断片的なシーンが、いくつも重なっていく。

とりとめのない出来事、情景、仮面をつけた人々…。

 

 

カンザスの人生は映画と同じように

混迷と混沌に満たされている。

 

 

カンザスは何を求めていたのか。ペルーに、マリアに?

難解な映画、という理由で

長いことお蔵入りとなっていたらしい。

ハリウッドの重鎮の怒りに触れたため

ともいわれている。

難解というよりも支離滅裂な感じがする。

怒りというよりも呆れという感じもする。

クリス・クリストファーソンの歌が慰めになっている。

 

(クリス・クリストファーソン)

 

文明社会にも未開の土地にも

安住することはできない男、カンザス。

名作なのか? 迷作または冥作といってもいいのか?

 

カンザス