監督:村川透

鳴海昌平(松田優作)

津山美沙子(中島ゆたか)

井筒文太(阿藤海)

勝田省一(佐藤慶)

江川(佐藤蛾次郎)

二宮(桑原大輔)

桜井昭子(竹田かほり)

1978年/日本

 

松田優作、

遊戯三部作

1.『最も危険な遊戯』

2.『殺人遊戯』

3.『処刑遊戯』

の二作目。

 

佐藤蛾次郎がやくざの

大物(江川)として出ており

妙に目立つ。

 

江川

 

そして、佐藤慶の爬虫類的な

いやらしさが心をくすぐる。

 

勝田

 

お勧め度

★★★☆☆

 

 

鳴海は頭山会の会長を狙う。

鳴海は一匹狼の殺し屋なのだ。

 

鳴海

 

忍びこむときに、

会長の娘昭子に顔を見られる。

 

昭子

 

秘書の美沙子を利用して会長を殺害する。

 

鳴海       美沙子

 

美沙子を殺そうとするが、

見逃してやり、海外へ姿をくらます。

 

そして5年後、鳴海は東京に帰ってくる。

 

ねぐらに戻った後、

夜の街に出かけていく。

呼び込みの女に誘われて

入った一軒のキャバレー。

そこにいたのは、

頭山会の会長の娘、

昭子だった。

明子は鳴海にいう。

「父を殺してくれてありがとう。

あのことは誰にも言っていない」

 

そこに昭子の男と名乗る二宮が

いちゃもんをつけに来る。

寿会の一員らしい。

「俺の女に手を出すのか」

凄む相手に鳴海は軽く一礼して店を去る。

 

鳴海の弟子を名乗る井筒が

「一緒に商売しましょうよ」

と誘いをかける。

鳴海は付き合いでしょうがなく

一緒に行動を共にする。

 

井筒      鳴海

 

あるとき鳴海は

5年前に逃がした女美沙子と出くわす。

 

鳴海

 

美沙子は今では銀座の一流クラブ

アラビカのママをしている。

あれから何があったのか。

鳴海は探る。

寿会の会長と関係があるらしい。

美沙子は、

「あなたのことは誰にも言っていない。

放っておいて」

という。

 

美沙子

 

鳴海は寿会の会長に会うことになる。

美沙子について会長の勝田は語り

5年前にふつりと姿を消した殺し屋について言及する。

鳴海は知らないふりをするが

「もう一度仕事をする気はないかね」

勝田は鳴海に誘いをかける。

 

寿会は老舗の組だ。

しかし最近勢力を増してきた

花井組が気にかかる。

花井はもともと、

勝田の部下だったので余計に気に食わない。

 

しかし花井組は関西の組と組んでおり、

寿会もうかつには手を出せない。

今では縄張りをめぐって

寿会と花井組は対立している状況だ。

そこで寿会の勝田は、

鳴海を使って花井組の勢いを削ぐことをもくろんでいる。

 

鳴海

 

 

そんな折、花井組の刺客が勝田を襲う。

肩に銃撃を受けたが命に別状はない。

入院中の勝田は部下に

「鳴海を連れてこい!」

といきり立つ。

いよいよ鳴海に仕事を頼むつもりなのだ。

勝田は花井殺しに2000万を出すという。

 

美沙子        勝田

 

寿会の二宮は、会長がいうのも聞かずに

花井組に押しかけて散弾を放つ。

そのあおりで、昭子は杯組の幹部組員に犯され

殺される。

 

昭子

 

その死に顔を見た鳴海のうちには

怒りがこみあげてくる。

 

鳴海

 

花井組も鳴海に目をつける。

会長の花井は勝田殺しに2000万出すという。

鳴海は花井組に出向き、

準備金をもらうと

花井を撃ち殺す。

「先約があるのでね」

そして襲い掛かってくる花井組の組員たちを

皆殺しにする。

 

花井組が壊滅したと知った勝田は

鳴海を裏切り殺そうとする。

金が惜しくなったのか?

鳴海は捕らえられリンチを受ける。

隙をつき逃げ出し

美沙子の自宅へ行く。

美沙子は傷ついた鳴海を

手当てし面倒を見る。

幾日かが過ぎる。

因果な二人は変わることがない。

「私は変わらないし、たぶんあなたも変わらない」

鳴海は美沙子を抱く。

その翌朝、鳴海は黙って美沙子の家を出る。

 

鳴海は勝田のビルに乗り込む。

部下たちを次々に銃殺し

最後に勝田の額に弾を打ち込む。

 

勝田

 

隣の部屋にいた美沙子は

鳴海に向けて銃を撃つ。

当たらない。

何発も撃つ。

でも当たらない。

鳴海は美沙子に近付き

顔を向けさせくちづけをする。

そして腹に銃撃を食らわすのだった。

 

美沙子          鳴海

 

 

阿藤快(海)の売り出しの頃だろうか、

若くて少し痛々しい感じで出てくる。

そのあとテレビで売れて

お茶の間の人気者になる。

そんな彼も2015年に亡くなり、

優作も1989年40歳で亡くなっている。

 

(阿藤快)

 

70年代は遠くなってしまったと、

老いた自分には

しみじみと感じられた映画であった。