監督 長谷部安春

黒田竜一(宍戸錠)

白坂剛(二谷英明)

藍子(山本陽子)

黒田三郎(岡崎二朗)

緑川(葉山良二)

黒田英次(藤竜也)

紫乃(沢たまき)

青木:高品格

紺野:深江章喜

金山:藤岡重慶

赤沢:神田隆

1967年/日本

 

<あらすじ>

街の娯楽産業を支配する赤沢興業。

そこの幹部に黒田竜一、白坂剛がいる。

二人は古い親友だ。

赤沢のやり方に嫌悪を覚え

竜一は赤沢興業をやめる。

すると赤沢たちは竜一やその弟に

嫌がらせをはじめ、つぶそうとしてくる。

竜一と対立したくない白坂は距離をとっている。

始めは我慢をしていた竜一だが、

堪忍袋の緒が切れる。

ついに竜一は、赤沢興業に戦いを挑んでいく。

竜一は白坂と対決することになる。

 

ジャジーな音楽をBGMにして

Hard-boiledな男たちが躍動する。

色を添える女たちもイカシている。

 

お勧め度

★★★☆☆

 

 

「あの女の居所を知っているそうだな。

やれるな」

赤沢興業の会長が幹部の黒田竜一に命令する。

竜一が向かった先はホテルの一室。

 

ホテルの部屋にきた竜一に

抱きつき微笑む女。

竜一は女を連れて

ホテルを出て、車に乗り込む。

女は男にしなだれかかり

安心しきっている。

竜一は渋い表情を崩さない。

女は赤沢興業会長の愛人で

赤沢のもとを逃げ出してきたのだ。

竜一に惚れて頼りにしている。

 

竜一

 

 

波止場に車を停めた竜一は

女を撃つ。女の驚いた顔。

そして女を車ごと海へ沈めてしまうのだった。

竜一は航空券を取り寄せており

女を逃がすつもりだった。

しかし、会長の言い付けに

逆らうことができなかった。

 

 

竜一の下の弟、三郎はボクシングジムに

所属する有望株だ。

このジムには赤沢の息がかかっている。

三郎は、会長が竜一に

女を殺されたことが気に食わない。

三郎は会長に食って掛かり、ジムをやめる。

 

竜一のすぐ下の弟 英次が支配人をするクラブに

三郎が両手を血だらけにして転がり込んでくる。

赤沢にボクシングができないように

両の拳をつぶされたのだ。

 

三郎

 

英次は怒り、けりをつけるといきり立つが

竜一はそれをとめる。

そして、竜一は赤沢興業を辞職する。

 

竜一

 

竜一には、赤沢興行に友人の白坂がいる。

会長の跡を継ぐのは竜一か

白坂かと目されていた。

白坂は竜一に

「今なら間に合う。組織に戻れ」

というが竜一は首肯しない。

 

白坂

 

翌日、赤沢興業の連中が

英次の経営するクラブに乗り込み

店内をめちゃくちゃにして去っていく。

英次と竜一は堪えて手を出さない。

「好きなようにやらせてやるんだ」

そういって、竜一は英次をなだめる。

 

英次

 

その夜、白坂がクラブに訪ねてくる。

竜一を赤沢興業へ呼び戻したいのだ。

白坂はいう。

「会長はお前を徹底的にやるつもりだ。

俺はお前とは対立したくない。

しかし、会長の命令は絶対だ…」

竜一は、赤沢興業には戻らないという。

竜一と白坂は、敵同士となる。

 

黙っていてはやられる。

竜一たち三兄弟は

赤沢興業の息がかかる行楽場を押さえにかかる。

 

英次        竜一

 

三郎がいたボクシングジムも傘下に収める。

赤沢興業に正面だって反旗を翻したのだ。

あるときは、赤沢興業の賭場に

拳銃をもって乗り込み

その場にいた赤沢会長の前で

「お前らの賭場にはこれから俺たちが来る」

と言い残し、その場にあった金を持ち去っていく。

会長は憤慨し悔しがる。

 

赤沢興業が反撃にでる。

竜一に協力していた男を殺害し

クラブに届ける。

棺桶に入った死体は時限爆弾を抱えている。

 

 

あるときは、赤沢たちは、

竜一の配下の男を脅迫し

竜一にガセネタをつかませる。

騙され、命からがら逃げだした竜一と英次は

ガセネタをつかませた男を捕らえる。

英次は撃ち殺そうとするが、

竜一は逃がしてやる。

男に小さな子供と女房がいたからだ。

「俺の前から消えて二度とその顔を見せるな」

 

赤沢の攻撃は続き

ついに三郎が捕らえられてしまう。

迎えに行く竜一は、

敵に殺されることを覚悟している。

 

 

そこに英次が乗り込み、

竜一と三郎を救う。

立ち去る間際、

英次は赤沢に弾を数発撃ちこみ

殺害する。

 

親分を殺された赤沢興業は

黙っているわけにはいかなくなる。

まず狙われたのは英次だった。

そして、竜一と白坂は

直接の対立をしていくことになる。

 

 

 

映画が作られた昭和40年ころであれば、

外国人が出入りする

英次の経営するようなモダンなクラブは

時代の先端をいっていたのだろう。

生バンドがジャズを奏で、

白人の男女のダンサーが踊っている。

少し退廃的で危険な香りがする場所だ。

今の私が行ったとしても、

結構緊張すると思う。

高級で危なくて

少し疚しい雰囲気が漂っている。

 

大きな事件が結構起こるが

警察が出てこない不思議。