原作は小松左京、1965年に出版。

映画化されたのは1974年。

その前年に『日本地没』が公開されている。

 

1974年(49年)の日本といえば、

時代は上り坂。

増位山太志郎が

『そんな夕子にほれました』を歌い、

ニクソン大統領が辞任し、

『エクソシスト』が話題になっていた。

そして、小野田少尉が

フィリピン・ルバング島から帰ってきた。

 

エスパイとは「エスパー」+「スパイ」のこと。

人類の抹殺を目論む

悪のエスパー集団と

それを阻止するために戦う

日本のエスパーたちの戦いを描いている。

 

 

監督 福田純

田村良夫(藤岡弘)エスパイ

マリア原田(由美かおる)エスパイ

三木次郎(草刈正雄)エスパイ

サラバット(岡田英次)エスパイ

寺岡(睦五郎)エスパイ

巽五郎(内田勝正)エスパイ

ジュディ(高村ルナ)逆エスパイ

法条(加山雄三)エスパイ

ウルロフ(若山富三郎)逆エスパイ

1974年/日本

 

お勧め度

★★★☆☆

 

 

ミラノとジュネーブを結ぶヨーロッパ特急。

東欧の要人が

紛争調停について打ち合わせをしている。

ひざを突き合わせた

リラックスした会合のようだ。

 

そのとき、スナイパーの銃弾が要人たちを襲う。

皆、額に1発の銃弾を受けて死んでいく。

 

 

スナイパーは、透視能力を使って

狙撃したのだ。

超能力を使うときに、

目が青く光るのだった。

 

 

日本。

ドライバーでエスパーの三木次郎は

超能力機構にスカウトされ

メンバーの一員となる。

田村、マリアも一員で、

所長を務めているのが法条だ。

 

三木は念動力が強い。

田村も念動力の使い手だ。

マリアは透視能力が優れている。

日本のエスパイは世界平和を目指すいい集団。

世界の崩壊をたくらむ逆エスパイは、

悪の集団なのだ

 

 

バルトニアの首相が

日本でアメリの大統領と会談をする予定。

ウルロフ率いる逆エスパイは

バルトニア首相の暗殺をもくろむ。

 

その捜査のために田村とマリアは

イスタンブールへ飛ぶ。

ところが、敵に襲われて

マリアが拉致されてしまう。

マリアを探す田村は

魔窟へと足を踏み入れる。

 

とある店に入ると、

エキゾチックなダンスをしている女がいる。

そのとき田村の心に

語り掛けてくる者がいる。

彼こそが逆エスパイのボス

ウルロフなのだった。

 

ウルロフ

 

椅子に拘束された田村の前に、

妖艶な姿のマリアが踊りながら出てくる。

蠱惑的で誘うような目つきをしたマリアは

普段のマリアではなくなっている。

催淫剤を飲まされているのだ。

 

マリア

 

椅子に電気が流れ、

田村はそのショックで超能力を失い

捕らえられる

海で、船上から重りをつけられて

投げ捨てられる。

そこを仲間に救われる。

マリアも仲間に救出される

 

三木は自分の超能力で人を殺して

しまったことにショック

を受けて落ち込んでいる。

 

いくつかの試練を経て

エスパイチームは結束し

自らの能力も高めていく。

 

そしてついに、

田村、マリア、三木の3人は

ウルロフの館に乗り込んで

対決することになる。

 

 

仮面ライダーの藤岡弘、

が熱くぎらついている。

 

 

草刈正雄のドライバー役が似合っている。

足が長くてかっこいい。

 

 

由美かおるがかわいらしい。

 

 

スーツの似合う加山雄三が凛々しい。

できる上司だ。

 

 

悪役の若山富三郎の髪型が変だ。

 

 

日本映画界に咲いたあだ花のような映画。

『日本沈没』の勢いにのって

作成された映画だと思うが、

ヒットはしなかったらしい。

 

海外に目を向けると、超能力の映画といえば

『キャリー』1976年

『フューリー』1978年

『スキャナーズ』1981年

『X-men』2000年

 

超能力ブームが起きる前に

作られていたことを思うと

先見性はあったのではないかと思う。