クー・クラックス・クラン(KKK)の基本的な思想は、

白人でアングロサクソンでプロテスタントが真のアダムの子孫であり、

人としての魂を持つ唯一の集団で、

神による選ばれし民として、

他の人種から優先され隔離されるべきである

と考える白人至上主義者たちだ。

有色人種はもちろん、カトリック、ユダヤ人を否定する。

 

この映画は、その団体に黒人の刑事と白人刑事(ユダヤ系)

が組んで潜入捜査をするという話。

1970年代のブラックパワーが台頭してきた頃の話し。

コロラド州コロラドスプリングスの街で

黒人として初めて警察官に採用されたロン・ストールワース。

署内にもあからさまに黒人をバカにする風潮がある。

黒人容疑者を「カエル」などと呼んでいる。


ロンはあるとき新聞で記事を見てKKKの

地元の団体に電話をする。

そして、驚くことに入会を申し出るのだった。

電話で話すのはロンの役目、実際にKKKのメンバーに会うのは

同僚のユダヤ系のフィリップだ。


 

フィリップが潜入捜査をしていく中で、KKKの偏見に満ちた低俗な思い込みが露わにされてくる。

 

 

監督のスパイク・リーは黒人でアメリカ社会の人種的問題を題材にした作品を撮ってきた人物だ。

『ドゥ・ザ・ライト・シング』『マルコムX』『クロッカーズ』

などで黒人問題を取り扱っている。

 

この映画の中で黒いジャガーやコフィーが和田に上がるシーンがある。

背景として、黒人を主人公にした映画がハリウッドにも

浸透してきた時代のできごとだったのだと感じた。

 

ハリー・ベラフォンテが語り部として出ているのが印象的だった。

 

しかし、映画でのコロラド州コロラドスプリングスの

KKKのメンバーたち言動を見ていると決して程度の高い人たちには見えない。

むしろ、教養のないろくでなしに見える。

自分たちを「選ばれし民」と思っていることに首をかしげてしまう。

こんな人たちが本当にいるというがなかなか信じられない。

 

監督 スパイク・リー

ロン・ストールワース(ジョン・デヴィッド・ワシントン)

フィリップ・"フリップ"・ジマーマン刑事(アダム・ドライバー)

ジェローム・ターナー(ハーリー・ベラフォンテ)

アメリカ/2018年