こんにちはヨッシーです。前回は、「会議好きバカ」について書きました。今回は「規則好きバカ」の話です。
会社のルールは、従業員に対する公平性の確保、法違反に対する対策、違反者に対する懲戒などの目的で作られていますが、仕事をスムーズに進めるため、という側面もあります。
例えば資格手当制度。どういう資格を取得して登録機関に登録した時に、いつの給与分から〇〇円の手当てが付く、と決めてあれば、公平さも保てますし、いちいち稟議書を書いたりせずに、現場担当者から発した報告書(依頼書)1枚で給与担当者は給与計算ができます。
見積書、契約書もひな形を決めておけばスムーズに作成することができます。一応、定型ですが、その時その時の案件で多少のアレンジの必要性がでてきます。必要個所を書き換えて相手方に示せば、スピード感をもって仕事を進めることができます。
臨機応変というやつです。
ところが「規則好きバカ」の人たちは例外を認めません。
稟議書を通すのに数日かかります。でも、早くことを進めないとクレームになってしまう。受注を逃してしますかもしれません。
こういう時は、普通の人は口頭で上司の承認を取ればいい、と考えますが、「規則好きバカ」は「稟議書が届いていないので押印できません」などといいます。
状況を見ることなく、規則・社内ルールしか見ていないのです。手っ取り早く行動しないと、顧客も迷惑するし会社の評判も下がってしまう。でもそんなことは気にしないのです。
営業で成果を上げて喜んでいると、「ルールを守っていないじゃないか」などと文句を言ってきりします。
「何のためのこのルールができたのか?」と聞いても、
「とにかく規則は規則」と理由を説明することができずに規則を守ることだけを強制してきます。
確かに規則は守らなければならいのですが、時と場合によっては、少しは捻じ曲げるというか保留する必要がある。良い結果を得るためには、やむを得ない側面があるわけなのですが、そういう事には理解を示そうとしません。
ただ、その人は意地悪で言っているのではないのです。規則を守ることに価値を置いているだけできっと「自分は規則を守る男だ。ルールに忠実だ」と自分では満足しているはずなのです。
ルールにないことは判断ができないのも「規則好きバカ」の特徴のひとつです。自分の頭で考えてどうやったら「効率的」なのか、そして法的にまたは技術的に「安全」なのか。
状況を把握し、2つ、3つの側面から考えて、そのケースで最もふさわしいやり方を考えればよいのですが、そういう頭の使い方をしないのです。
そして、新たな規則を作ろうとするのです。「誰がそんな細かいルールを覚えるのだろう」という、事細かなルールを作りたがるのです。
レアケースに対するルール作りは、ほとんどが無駄な作業です。
その都度、「高度な判断業務」をするべきなのですが、「規則好きバカ」はルールを作りそれに沿って仕事をしたがります。
逆に、マニュアルを頭からバカにする人もいますが、そういう人は「独善バカ」とでもいうべき人でしょう。会社の考え方や理念などの方向性を示すためにも、一定のマニュアル(ルール)は必要です。しかし、それも度を越すとかえって業務の足を引っ張るということです。
端的に言うと、
●業務が滞る。
●チャレンジができない。
●足を引っ張られる、
というが「規則好きバカ」の弊害ですね。
なぜ彼は規則にこだわるのでしょうか。生真面目だからでしょうか。
一番大きな理由は、自分に自信がないのです。ちゃんと考えて判断して行動することが怖いのです。失敗するのが怖いのです。
規則に従ってうまくいかなかったら、「規則でこうなっていたから」と責任を回避できますね。
自分の判断力に自信がなく失敗を恐れるタイプなのです。
そして、著者が指摘するには、自由に自分の判断を交えて行動する人に「嫉妬」しているのではないか、というのです。
自分では認めたくないので、無意識に心の奥底に沈めてしまう。
自分の主観では「規則に沿った正しい業務」を執行しているのです。
コンプライアンスを持ち出し、自分よりも自由で能力のある人物の行いを阻止しているのです。
ある意味、かわいそうな人ですね。
次回は「数字好きバカ」について書いていきます。
では。