前回まで6回にわけて、堀江重郎先生の『うつかな?と思ったら男性更年期を疑いなさい』(2016年7月15日出版)を読んできました。
うつ的な症状は、もしかすると、テストステロンを中心とした男性ホルモンの低下が原因であるかもしれない、という内容を含んでいました。大変面白かったです。
そこで今回は、調子に乗って、同じく堀江先生の書いた『ホルモンが人生を変える』を読んでいきます。ざっと読んでみましたが、結構かぶさる部分も多いようです。こちらは2009年2月7日が出版日となっていますので、情報が少々古いわけですが、復習ということでお勉強します。
この本は5章に分かれています。
第1章「男性ホルモンは人生を支配する」
第2章「男性ホルモンが人生を変える」
第3章「男性ホルモンが人生を左右する」
第4章「男性ホルモンを高めよう」
第5章「男性ホルモンと長寿の秘密」
なんだか似たような題名が並んでいますね。ニヤニヤしてしまいます。
では、今日が第1章「男性ホルモンは人生を変える」を見ていきましょう。
男性ホルモンが強いと「正義感」「公正性」の意識が強くなります。
他者に対して、平等性を求めるのです。その時、経済的な「損得」は二の次です。たとえ自分が損をしても民主的であることを希求するのです。
だから、男性ホルモンの多い人は人から好かれます。人気のある政治家、ロックな親父、人と違う服装をしたがる野郎などは男性ホルモンが多いのです。
自分を顧みると、若いころから目立たず無難な線で行動をしてきました。頭の中では、「本当の自分は違うのだ」などと言い訳をしながらも、思い切った行動をとることをしませんでした。私は男性ホルモンが少ない口なのでしょう。少しショックです。「細く長く」のタイプですね。トホホです。
男性ホルモンは職業の選択にも表れます。「師」とつく職業に就く人は男性ホルモンが低い傾向にあるそうです。ルールを重んじ、外れたことをしない。倫理に従う。牧師、教師、医師などです。反対に、男性ホルモンの高い人はルールや社会的な規範を打ち砕く方向に進みます。管理社会が大嫌いです。会社の中でも、既存のやり方を破壊して新たな方法論を打ち立てていきます。破天荒です。勝海舟、西郷隆盛、坂本龍馬、ホルモン全開です。二宮金次郎はホルモン低そうですね。
男性ホルモンが極めて高い人は言語能力があまり発達しないそうです。しかし、短い言葉で
大衆の心をつかみます。
「自民党をぶっ壊す」といった政治家がいます。「ヨロシクー!」いってやんやの喝采を受けるロッカーがいます。「男は黙ってサッポロビール」といったのは誰だったでしょうか?目つきがギラギラしていました。みんな人気者でした。
「抗利尿ホルモン」というのがあります。バゾプレシンといいます。陸上に上がった生物が、水を倹約するために発達したホルモンです。濃縮した尿を膀胱にため水を節約するのです。
このホルモンは男性ホルモンが減ってくると、それに伴って急激に減るそうです。年を取ると男性ホルモンが減りますので、バゾプレシンも減ります。それで夜中に尿を濃縮することができなくなり、何度も起きてトイレに行くようになるのです。
ここで著者は、驚くべき理論を展開します。
イスラム教の世界は水が少ない地域に分布しています。そのため、バソプレシンがよく働かなければ生き残ることはできません。バソプレシンが多いということは男性ホルモンも多いはずです。なので、彼らは、宗教的正義のために命を顧みずにテロを行うことが多いのではないか。
自分のテリトリーを広げることは男性ホルモン的には正しいことです。
ホルモンは、世界の歴史にもかかわっているのかもしれませんね。