「病気」とはあくまで人間が作為的に設けた基準
わたしたち人間の身体はたとえ病気になってもそれを治そうとする力が自然にはたらきます。この「自然治癒力」が何らかの原因で著しく低下し、身体に機能障害が起こった状態を「病気」と称します。
ところが現代社会に於ける「病気」の概念というものが、あくまでも医学という学術的な見地により作り出された基準によるもので、その基準に満たないものは「病気ではない」という判断をしてきました。
現在、わが国における「健康保険」がまさにその発想で、何かしらの傷病に分類することができて(完全に病気と判断できて)、はじめてその医療点数が決まり、その医療点数によりあなたの診察料なるものが算出されています。
こうしたことに起因し、多くの方が「病気ではない」=「健康」という認識をもっているようです。しかし、それは本質的に「健康」といえるのでしょうか。
増えつづける生活習慣病
どことなく身体が重たいのだけれど「風邪ではない」――医者に行くとこうした診断をされ、油断した結果、数日後に風邪を引いてしまった――みなさんも一度や二度はこうした経験がおありではないでしょうか。
専門家の間ではこのような状態を「未病」とか「半健康人」、「半病人」などと称しており、病気ではないけど、疲れが取れない、寝起きが悪い、頭痛がおさまらない、あるいは便秘気味等、決して健康とはいえない状態を指しています。
そして残念なことに、もはや大多数の現代人が、この健康でも病気でもない状態にあるといわれています。
いまやわが国は世界屈指の長寿国です。しかしながら、依然として生活習慣病で多くの方が苦しんでいるのは何故なのでしょうか。
改めて健康というものを見つめ直す曲がり角に立たされているのかもしれません。
参照元:http://health.her.jp/index.htm