真珠の微熱87 | シンイ〜甘味処

シンイ〜甘味処

韓国ドラマのシンイにはまり、無謀にも自分で二次を書いてしまいました。
素人の書く拙い話しです、お暇なときに読んで
くすっと笑っていただけたら嬉しいです



真珠の微熱87













チェ・ヨンが借りた部屋は病院から
歩いて10分にある高層マンション
二人で住むにはかなり広く
たっぷり3LDKもあり
しかも一部屋が広く天井も高い。

ウンスはこんなに豪華な
ところじゃなくていいと
抵抗したのだかセキュリティの
良さがチェ・ヨンのお眼鏡に叶った。

今までの事もあり、ウンスの安全に
関してはチェ・ヨンも頑として譲らない。

公安として留守にすることも多い、
ならば自分が安心して
仕事に行ける家じゃなければ
ダメだと押し切られ
このマンションに決まった。

別荘にいる間にカタログを見て
ウンスが注文したカーテンや家具は
既に運び込まれ、
直ぐに生活できるよう
整えてあるのはチェ・ヨンが一晩でも
ウンスと離れたくないのが理由だろう。

カチャリとリビングのドアを開けると
開放的な窓から陽が入り
清潔感溢れるシンプルな
室内になっていた。

広いリビングにL字型の
大きなソファは大柄なチェ・ヨンでも
ゆったりと身体を預けられる仕様だ。

 寝室にはキングサイズのベットと
チェ・ヨンの希望で
横になりながら映画が観れるように
スクリーンが設置されている。

家具は全て備え付けだ。

「とりあえず、できるところまで
荷物を片付けちゃいましょうか?」

ウンスはダンボールを開けると
洋服やら化粧品といったすぐに
使う物をクローゼットや棚に
仕舞いはじめた。

チェ・ヨンは大した荷物も無く
あっという間に私物を片付け終えると
直ぐに部屋の中を整えはじめた。

結局はウンスが自分の荷物を
片付ける間にキッチン、寝室、
バスルームなどの品出しは全て
チェ・ヨンが終わらせてしまう。

「・・・ごめんね、ヨンァ。
何だか全部やってもらっちゃった。」

座り心地の良いソファーに
ぽすっと腰かけしゅんっとした
ウンスの前にコーヒーを淹れた
カップを置く。

「当たり前だろう。
俺の方が荷物が少ないから早く終わる
手が空いた者がやればいい。
それよりコーヒー飲んで一休みしたら
飯でも食いに行こう。」

ん?と優しい笑顔で諭される。

「うん。ありがとう。
この辺なら美味しいお店を知ってるわ。サムギョプサルの美味しいお店があるのよ。」

「じゃあ、そこへ行こう。」














「ふぁぁぁ・・・お腹いっぱい・・。」

サムギョプサルを食べ、
ビールを一杯飲んで
ほろ酔いのウンスが怪しい足取りで
ふらふら歩く人を、チェ・ヨンの腕が
手を掴む。

嬉しそうに見上げてくる鳶色の瞳が
街灯の明かりを映し輝いている。

「ふふっ、嬉しいなぁ。
貴方から手を繋いでくれた。」

小さな手がきゅっと手のひらの中で
力を入れてくる。

「手ぐらい幾らでも握ってやる。」

小さな手の細い指の間に
節くれだった指を絡ませる。 

「あっ、恋人繋ぎだわ。」

はしゃいだような声がまた可愛い。

二人仲良く手を繋いだまま
マンションまで帰り、
部屋に入るとソファーに
ドサリと座る。

引っ越しの疲れとほろ酔いも
相まってウンスがうとうととし始めた。

そのままウンスを抱きしめ
チェ・ヨンもまた心地よい微睡みに
身体を委ねている。

ふと気付けば夜も更けており
二人して寝過ぎてしまったようだ。

チェ・ヨンはバスルームに行き
お湯を張ると寝入るウンスの身体を
揺する。

「ウンス、もう夜中だ。
どうする、このまま寝るか?
それとも風呂に入るか?」

うーんと声を上げて
こしこしと瞼を小さな拳で擦り
欠伸をするとチェ・ヨンに向かって
両腕を伸ばす。

「お風呂、はいる。連れて、行って。」

甘えたように起こしてくれと
強請る。
そのままヒョイっと抱き上げ
バスルームまで連れて行くと
チェ・ヨンが脱ぎだした。

「えっ、ちょっと待って?!
どうしてヨンァが脱いでるの!」

「疲れてるようなので一緒に入って
洗ってあげます。」

にやりと笑うチェ・ヨンを見て
一気に眠気が覚める。

「ええええ?!
嫌だ、ちょっ、ちょっと待ってえ!」

真っ赤な顔をして抵抗虚しく
あっという間に服を剥ぎ取られ
湯船に連れて行かれた。

真っ白なバスルームは天井も高く広い。
バスタブは二人で入っても十分な
大きさがある。
チェ・ヨンは自分の膝の上に
ウンスを乗せ腹の前に手を置き
がっちりと抑え付ける。

「は、恥ずかしいんだけど・・・」

無造作に纏めた髪の
生え際まで赤くしてウンスが抗議する。

「今さらだな。
俺は貴女の全てを知ってる
それに、疲れてるのでしょう?」

そういって大きな手が薄い肩を
やんわりと揉み解す。
確かに荷物の上下で肩が凝り
張っていた。
チェ・ヨンの手が絶妙な力加減で
白い肩を解してくれる。

「・・はあぁ・・・」

気持ち良さに、ついぞ声が出てしまう。

無造作に纏め束ねた髪から
幾つかの柔い後れ毛が首筋に
張り付いている。

肩を解しながら真っ白なうなじに
視線を移すとしゃぶり付きたい衝動に
ごくりと喉が鳴ってしまう。

癒してやりたい気持ちとは裏腹に
チェ・ヨンの男の事情が下腹を刺激する。