血圧が下がるワクチン | 生活習慣病の予防

血圧が下がるワクチン

アンギオテンシンⅡという昇圧物質に対する抗体を体内に作らせるワクチンを注射すると、血圧が下がるという論文がLancet誌に報告された。ワクチンは2回接種し、その後体内の抗体価が最大になる14週で、平均血圧が収縮期で9mmHg、拡張期で4mmHg下がったという。特に早朝血圧に効果があった。さしたる副作用は無かった。


初年度に少なくとも2回は注射が必要なようだが、毎日降圧剤を飲むよりは便利。ただ、病原体ではなく、内因性のホルモンに対するワクチンを接種してしまうわけで、いわば意図的に自己免疫病を作るようなものだという言い方もできます。長期の効果や副作用の検討が必要でしょう。


Effect of immunisation against angiotensin Ⅱ with CYT006-AngQb on ambulatory blood pressure: a double-blind, randomised, placebo-controlled phase Ⅱa study.

Alaoin C Tissot et al. Lancet 371: 821-827, 2008