2019年超個人的新作映画アワード | げそメモ

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毎年恒例2019年の映画アワードです

 

2019年は

劇場 32本

自宅 86本

合計 118本でした

 

劇場は例年並み、自宅はやはり生活環境が変わったこともありそこまで多くありませんでした

 

 

作品トップ10

 

10. 「スノー・ロワイヤル」 (ハンス・ペテル・モランド監督)

9. 「バーニング 劇場版」 (イ・チャンドン監督)

8. 「ブラック・クランズマン」 (スパイク・リー監督)

7. 「アメリカン・アニマルズ」 (バート・レイトン監督)

6. 「女王陛下のお気に入り」 (ヨルゴス・ランティモス監督)

5. 「ジャック・ハウス・ビルト」 (ラース・フォン・トリアー監督)

4. 「ナイト・クルージング」 (佐々木誠監督)

3. 「スパイダーマン:スパイダーバース」 (ボブ・ペルシケッティ/ピーター・ラムジー/ロドニーロスマン監督)

2. 「マリッジ・ストーリー」 (ノア・バームバック監督)

1. 「ジョン・ウィック:パラベラム」 (チャド・スタエルスキ監督)

 

 

 

10. 「スノー・ロワイヤル」 (ハンス・ペテル・モランド監督)

ポスターの「壮絶な、全く噛み合わない戦いが始まる」の文字通り、怒れる人たち全員が勘違いをして壮絶な戦いに繋がる様子は最早コントの様

立ち過ぎているキャラクター達はいとも簡単に殺されて行き、その度に画面は黒い背景と共に殺された人の写真が映される

これが繰り返されるとだんだん面白くなってくるし、ネタとして堂々と天丼しているようにも見えてくる

これはどっからどう見てもコメディ

 

 

 

9. 「バーニング 劇場版」 (イ・チャンドン監督)

村上春樹「納屋を焼く」を原作にした映画(原作は未読)

「何も持っていない」男が女の子に気を惹かれ、どうにか上手く行くのかな…なんて思っていたら全然そんなことがない

気づいたら流れ始める不穏な雰囲気も、思い返してみれば冒頭から積み重ねられていたような気がする

不穏な雰囲気は時折美しくも見えながら、多くを語り過ぎず想像の余地を残した見事なラスト

派手な場面は無いし主人公への共感もあまり無いといえば無いのだが、なぜかずっと目が離せない画力

 

 

 

8. 「ブラック・クランズマン」 (スパイク・リー監督)

1970年代、黒人とユダヤ人警官が白人至上主義団体である「KKK」に潜入する

ありえないだろ!と思うような作戦と、潜入モノとしてのキリキリとしたサスペンス感

そこを繋ぐのは思わず笑ってしまうような会話と行動

エンタメ映画としてものすごく楽しいのだが、これが実話を元にしていると思うと恐ろしいものがある

差別撤廃に向けて女性が、黒人が、マイノリティが立ち上がっている現代にドナルド・トランプ氏が大統領になったアメリカ

そして黒人のスパイク・リー監督が1970年代を舞台にした笑える映画を撮ったと思うと感じることはたくさんある

ラストに挿入される現実の映像は決してエンタメでは無いこの映画の意味を考えさせられる

 

 

 

7. 「アメリカン・アニマルズ」 (バート・レイトン監督)

4人の大学生が図書館に所蔵されている1200万ドルの本を盗み出そうとする、これもまさかの実話

何も起きない平凡な現実からハデな事を起こしてみたいってだけの勢いで立てた犯罪計画

思い返してみればこんなことしなくても良かったんだし、引き返せるタイミングは何回もあった

何回も映画で見た華麗な強奪計画のように様々なパターンを考えるが、現実的な案はどれも不安なものばかり

それらしい計画で試みるも予想していなかったことばかりが起き、スタイリッシュな強奪とは無縁の話

思い返せばそのハプニングの度に「まだ引き返せるぞ」と運が味方をしていたのかもしれないが、なんやかんやで無理やり手に入ってしまう本

そんなずさんな計画ではすぐに捕まってしまうのは当然の話

そんなんじゃだめだよ~、絶対捕まるでしょ~なんて緩く見てるけど、"素人の立てた計画"っぽさはとてもリアル

(というか実話だからそりゃそうなんだけど)

劇中には服役を終えて出所したこの事件を起こした張本人たち、そして襲われた図書館の司書などが出演

合間合間に挟まれる当時を語るシーンでこの映画は説得力とドキュメンタリーの風味が増す

真相がわからないことは映さないし、今でも真相は闇の中であることを率直に語るが故に

「嘘のような本当の話」のリアリティが増して見えるのは画期的だった

 

 

 

6. 「女王陛下のお気に入り」 (ヨルゴス・ランティモス監督)

女王とその側近の地位を争う2人の女性、三人のドロドロの人間関係を描く

まずセット、衣装など画面に映るものが綺麗 (時代考証をすると厳密ではない部分はあるかもしれないが…)

しかし、なんだか意地の悪い画角や、広角レンズによる湾曲など居心地の悪さを写すのはさすがのヨルゴス・ランティモス監督

素晴らしい存在感を放つエマ・ストーンだが、それに負けず劣らずのオリヴィア・コールマンとレイチェル・ワイズも最高

 

 

 

5. 「ジャック・ハウス・ビルト」 (ラース・フォン・トリアー監督)

大好きトリアー監督作

不快と悪趣味が詰まっているのにとにかく笑える

サイコキラーの考えなんてわかったもんじゃないけど、人間らしさが出ると笑えてしまう

ラストの思いも寄らない展開には驚いたが、そうゆう思想感の強いファンタジーって好きだし、そもそもそうゆう監督じゃん?と納得

この映画を恨むように嫌うのも、カンヌで途中退場者がたくさん出たのもわかるし心中お察ししますと言った気持ちだけど、自分は大好き

 

 

 

4. 「ナイト・クルージング」 (佐々木誠監督)

よく見たらトップ10唯一の邦画であり、ドキュメンタリー作品

全盲の監督はどんな映画を撮り、そこに何を観えるのか、制作に密着するドキュメンタリー

全盲という体感したこと無い世界からはどんな表現が生まれるのか

その「作品」が気になる気持ちで見に行ったのだが、とにかく面白かったのが制作風景

映像制作会社もどうやって制作会議をしたらいいんだ?と悩みつつ歩み寄りを見せるのだが、

そもそも見えている世界が同じかどうかなんてのは目が見える人達の間でも定かではないことだった

共通認識の土台が出来てからはギアが一段上がったような加速を見せる

障碍というものが壁になりハンディキャップを感じるのではなく、相手が誰であろうと理解しようとしないことが壁になるのだと気付かされた

 

 

 

3. 「スパイダーマン:スパイダーバース」 (ボブ・ペルシケッティ/ピーター・ラムジー/ロドニーロスマン監督)

脚本は天才フィル・ロード

アカデミー賞長編アニメ部門も獲っているだけあり問答無用の名作

自分がなにか語れるほど深く理解できた気はしないが、とにかく映像に圧倒された

存在する次元が違うスパイダーマン達が時空を超えて集合しているに、とっ散らかることもなく

それどころか作画が全く違うのに同一世界にちゃんと共存していたのが凄かった

青年ヒーローの成長モノとしてもとてもいいストーリー

本当に"出来の良い映画"だった

 

 

 

2. 「マリッジ・ストーリー」 (ノア・バームバック監督)

Netflixオリジナル作品

離婚が決まった夫婦が男女として、親として、葛藤しながらお互いの姿を見つめ直す

お互いのことを恨んでいるわけでもなく、愛し尊敬しあってるのに離婚せざるを得ない関係性

という複雑な気持ちを見事に描いている

結婚/離婚という枠に嵌めようとしてしまうから関係は上手く行かなくなってしまう

しかし、そう言った型に嵌めないと現実の物事はスムーズに回らなかったりするんだけど…

脚本も素晴らしいのだけど、とにかく印象に残るのはアダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンの説得力

苦しいけど刺さる映画でした

 

 

 

1. 「ジョン・ウィック:パラベラム」 (チャド・スタエルスキ監督)

待ってましたジョン・ウィックの最新作

1、2と確実に面白くなり続けた映画が3作目にしてまだ面白くなるのか!?と驚愕

アクション大好きバカがキャッキャしながら楽しく作ったとしか思えないバカさ加減(大褒めしてる)

ジョン・ウィックが強くなりすぎた結果、対等に戦わせるために登場したのは超防弾装備ってのもバカっぽくて大好き

最初っから最後まで名場面の連続で好きな場面を挙げたらキリがない

とにかく最高に楽しい映画でした

 

 

 

次点

アス (ジョーダン・ピール監督)

CLIMAX (ギャスパー・ノエ監督)

アナと世界の終わり (ジョン・マクフェール監督)

ボーダー 二つの世界 (アリ・アパッシ監督)

ドクター・スリープ (マイク・フラナガン監督)

 

 

部門別賞はそこまで浮かびませんでしたが、この二人は圧倒的でした

 

主演男優賞 アダム・ドライバー (マリッジ・ストーリー、ブラック・クランズマン、スター・ウォーズ エピソード9)

主演女優賞 オリヴィア・コールマン (女王陛下のお気に入り)

 

 

 

2019年見逃したものとしては

アイリッシュマン

新聞記者

愛がなんだ

ホット・サマー・ナイツ

永遠に僕のもの

 

2018年、面白かったのになぜ見逃していたのか…と思ったのは

来る (中島哲也監督)

 

今年は「レディ・バード」や「シング・ストリート」のような"自分に刺さる映画"があまり無かったかな…

一番近いものとしては「マリッジ・ストーリー」だと思う

しかし、ラース・フォン・トリアーやギャスパー・ノエなどあまり作品が多くない監督の最新作が見れてよかった

ジョン・ウィックやスター・ウォーズ エピソード9やトイ・ストーリー4、ゾンビランド、ドクター・スリープなど続編モノが多く楽しかった印象

今後続いていくような新規タイトルが出なかったといえばそうなのかもしれないが…

 

来年も見たい映画は既にたくさんあるので楽しみです