86才のオヤジ…。
頭がボケる事もなく…食欲も旺盛である。
ただひとつだけ…
数年前と比べると足腰は確かに弱った…。
数週間前、深夜の台所で…
呆然と立ち尽くすオヤジを見る事になる。
オヤジは私に…
「こっちへ来るな!」と言った。
パジャマのズボンがびっしょり濡れた
オヤジの姿を見た私は…
『よかよか〜風呂に入りんしゃい』
『汚れた服は洗濯機にポイしんしゃい』
オヤジは、床を見ながら…
「おいも、もうダメにゃ〜」と言う。
私は、床を拭きながら…
『ダメじゃなかよ!』
『おじいちゃんになりよるとよ』と笑った
「ここは、お前に任せてよかかい?」
『よかよか〜』
『早よ風呂入らんと風邪ひくよ』
ブツブツとひとり言を言いながら…
風呂場へと向かうオヤジ…
一歩…歩いてはタンスをつかみ
また一歩…
歩いては今度は壁に身体を預ける…。
そんなオヤジの後ろ姿を見て
私はオヤジよく頑張ってるなぁと思った。
オヤジが…
風呂からあがる前に床の拭き掃除は終了
拭き掃除が終わったので…
小夏を抱っこしてオヤジを待つ。
時刻は午前四時…
風呂から出てきたオヤジに…
小夏をしばらく抱っこさせた。
『寝てきんしゃい』と言うと…
オヤジは「うん」と言って寝床へ行った。
夜中のおしっこ…後10歩…間に合わず。
オヤジ落ち込むな!
俺はおふくろの介護を八年間やったんだ!
だからオヤジ…何も心配する事は無い。
つづく