今日は田舎の80過ぎのおばさまと上野毛の五島美術館でおデート。
こちらのコレクションである「源氏物語絵巻」を観に来る事、
それがおばさまのかねてからの念願だったんだけど
一昨年の2010年に館内の改装工事に入ってしまった為観覧はしばらくお預け。
それから2年、先月の10月20日に遂にリニューアルオープンを果たしたとの事で
本日はその2年越しの想いを叶えられる待ちに待った大切な1日。
とか言って俺も何気に楽しみにしていたりする。
(オフィシャル より)
再開した10月20日から本日11月18日までは
新装開店記念名品展として奈良、平安の蔵書を公開しているが、
11月6日からの後期展示では国宝である源氏物語絵巻も併せて公開されている。
俺ぁルネサンス期の西洋美術や能狂言などの伝統芸能なら
趣味の範囲内でそれなりに触れてはいるものの、
日本古典は恥ずかしながら全然知識がなく五島美術館に来るのも今日が初めて。
なので源氏物語も内容を殆ど把握していないし紫式部自体どんなヤツかも知らない。
1回呑みに行きゃ仲良くなれると思うんだけどね、いかんせんもう居ないからさ(´ω`)
で、俺のような鬼初心者向けへのウンチクによると、
源氏物語ってのは紫式部が平安時代の貴族達の戯れを情緒豊かに描き通したお話だそうで
この絵巻はその源氏物語が完成されてから150年後の12世紀に絵画化された
日本最古の源氏物語絵巻として残されている貴重なシロモノなんだそうな。
そして物語は54帖あり、この絵巻はその各帖より名場面を1~3選び絵画化して
物語本文を書写した「詞書」を絵の前に添えた絵本みたいな形式となっていたんだけど
現存するのは54帖の内の約4分の1くらいだそうで詞書も絵も作者は不明らしい。
てゆーか源氏物語がそんなスーパー長編な物語だったなんて
本当に恥ずかしながらアタクシ全く存じ上げておりませんでした。
おばさまも登場人物の相関図を手元に置いとかないとチンプンカンプンになるって言ってたっけ。
ん~、今の俺には読破はチト無理だな(´Д`;)
って事でこちらに展示されていたのはその4分の1から「鈴虫」2場面、「夕霧」、「御法」の三帖分。
で、俺は古典は全く知識がないけど、この鈴虫は一目見てうわ~…っと見とれてしまった。
とにかく雅やかで、感動の波が背中まで突き抜けるようなえも言われぬ美しさ。
書体もなんて綺麗なのでしょう。これは凄いよ。かなりキてるよ。
この感動はパリのオルセーで大好きなルノワールを観た時とは明らかに異質。
あの時は絵の前で涙をボロボロ流しながら半日くらいボケーっと立ち尽くしてしまったけど、
今回はなんつーかDNAが共鳴しているような、
遺伝子に潜在する遥かなる記憶が心の奥底で反応している感じ。
う~ん、やっぱ俺って日本人なんだね~。
先祖はマケドニアの羊飼いだとばかり思ってたんだk(ねーよ)
絵は現存のものと複製画を並べて展示してあるので失われた色使いも確認する事が出来る。
12世紀っつったらイイクニ作ろう鎌倉幕府で運慶快慶の頃か。こりゃ興味深いな~。
とにかく今日は思いもよらぬ超感動!これは老若男女ハマる人が多いのも頷けるわ(´∀`)
おばさまも絵を眺める瞳に少女の輝きを取り戻していたようで終始ご満悦の様子。
今日は本当に良い1日でした。
でも物語自体はもうちょい年齢がイってから読んでみようかな。
とりあえず現代語訳版から始めたほうが分かり易いかね?
五島美術館
オフィシャル:http://www.gotoh-museum.or.jp/