LEVI'Sのシンボルマークアーキュエイトステッチを残すために!? | 自由が丘Denim Cellar.(デニムセラー)商品とトリビア

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自由が丘でジーンズメインのセレクトショップをしています。
商品の紹介はもちろん。
ここではジーンズの歴史や気がついたこと。面白いジーンズネタなども話ます

今日はジーンズのミシン糸の話。

皆さん501XXはどんな糸で

縫製されているかご存知ですか?

あのオレンジやイエローの糸です。

正解はカタン糸と呼ばれる

コットン100%の糸です。


カタンとはCOTTONのことで、

日本人はコットンの発音が

カタンに聞こえたんでしょうね。

今でもカタン糸と呼ばれています。


しかしこのカタン糸、とにかく切れやすい。

もしカタン糸を見る機会があったら

引っ張ってみてください。

プツッと簡単に切れてしまいます。


501XXを改めて眺めてみると、

確かにあちこち切れてます。

裾部分は当たり前で。

アーキュエイトステッチも

ほとんどの場合擦り切れてなくなっています。


リーバイス社もカタン糸の耐久性には

悩んでいたようです。


このミシン糸の耐久性を飛躍的に

上げたのがポリエステル糸。

いわゆるポリエステルスパン糸と

呼ばれている糸の登場です。


1950年代に生まれたポリエステルは

アパレルにさまざまな革新をもたらしました。

その波はもちろんジーンズの世界にも。

501XXにも波及してくるわけです。


ところがこのポリエステル糸は

光沢がある上にほとんど経年変化しません。

リーバイス社も

生地が変化するのに糸がいつまでも新品の

ようではしっくりこない。

しかしポリエステル糸の耐久性は魅力的。


そこで誕生したのが「コアヤーン」と呼ばれる

ポリエステルの芯が入ったコットン糸でした。

これは一説ではジーンズメーカーからの

要望で誕生した糸と言われています。

(諸説あります)


このコアヤーンを使ってリーバイス501も

縫製されるようになります。


501XXの隠しリベットなしあたりから

みられるようになります。


顕著なのはアーキュエイトステッチ。

BIG E以降は結構履いて経年変化していても

アーキュエイトステッチは残っています。


これはもちろん運針が細かくなったことも

ありますが、コアヤーンを使用するように

なったからです。


裾のチェーンステッチもカタン糸の501XX

の頃と比べてBIG E以降はしっかりと

解けずに残っている印象です。



ジーンズの進化の中で欠かせない

歴史ですが、今復刻されている日本の

ジーンズの中には、敢えてカタン糸だけで

縫製されているジーンズも多くあります。


それがわかったときは簡単に切れてしまうのは

カタン糸が使用されているから

と分かれば古き良き時代に思いを馳せることが

できるのではないでしょうか^ ^


今回はアーキュエイトステッチで

わかりやすく説明しましたが

ミシン糸なのでジーンズを縫製する

糸自体が1966年頃を境に

コアヤーンに徐々に変更になった

ようです。


今日はジーンズの糸についてでした!